場当たり

さて、新国の稽古が最終通しを終え、舞台に上がります。今日、明日と明かり合わせなどをやりつつ、外側を作っている最中ですが、アシスタントの大きな仕事の一つに、「場当たり」というものがあります。これは、稽古場では組めない実際の舞台を、衣装を着て歩く前に、段取りに基づいて、位置決めや、危ないところの確認作業などをする時間です。日本には劇場が無く、実際の舞台で稽古が出来ることはありませんから、必ず行われる、日本特有の作業ですが、これが、結構大変です。何が大変かというと、場当たりというのは、大体がGPや、舞台稽古の前に、1時間くらい時間をもらって、色んな確認をするものですから、とにかく時間がありません。ですから、いつも大騒ぎ。今は、こちらにもノウハウがありますが、経験が無いときは、ただ慌てまくって、良く要領をなさないものでした。しかし、最近は、外人演出家や、歌い手達のおかげで、この場当たりという作業も、あまり重要ではなくなりつつあります。劇場を持っていて、そこで歌うことが慣れている彼らは、日本人のやるような、細かい作業には、あまり興味もなさそう。藤原や、新国でやるときは、どうしても危ないときや、明かりのしるしだけ、確認してもらうという感じになってきてました。
しかし、今回の新国での公演は、和物で、日本人キャストだけ。舞台の機構をフルに使ってやりますから、迫(せり)だの、階段だの、と、結構大変です。しかも人を乗せたりおろしたりしながら、曲中で転換していく。今回は、ばっちり場当たりをすることになりました。
新国の場合、舞台に入って、一キャストに三回の舞台稽古があります。まずピアノを使っての、舞台稽古。その次がオーケストラとあわせる舞台稽古。そして、最後がいわゆるGPです。通常、どの舞台稽古も、衣装を付けてメイクをして、よっぽどのことが無ければ、止まらないというものですが、今回は、その最初のピアノ舞台稽古を場当たり稽古に使うことになりました。
さて、こうなると、大変なのは私たち演助です。この時間内で、効率よく、危ないところをクリアし、尚且つ、歌い手達を疲れさせないように、集中できる稽古を組む。もちろん、合唱団、助演も同じことです。このメニューを考えるにおいて、2,3日前から、稽古を観ながらシュミレーションをして、何回も表を書き出しています。いわゆる進行表ですね。このシュミレーションをやらないと、実際に人を動かすことが出来ません。何せ、巻き込む時間と人数が半端じゃないですから、プレッシャーが多大です。もちろん、それが絵に描いたようにうまくいけば、良いわけですが、そうとも限ません。舞台は生きていますから。私は決して、起用ではありませんから、こういった無駄な努力がものすごく大切です。以前、アシスタントを辞めたくなった最大の理由は、このプレッシャーでした。またもや・・・・・・。今日、明日、足のこともあり、テクニカルの部分をお休みさせていただいているのですが、その分、完璧な場当たりプランを作らなければ・・・・。すでに、頭が活火山のようです(^^;)
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by kuniko_maekawa | 2006-02-07 22:33 | オペラなお仕事 | Comments(0)

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