演出家

本日は(7月24日)演出家「前川クニコ」のお話し。
って言っても、たいしたことはありませんが、来年の1月22日に千葉の旭市で「魔笛」を演出します。東総文化会館というホールが主催で行う自主事業ですが、地元の文化活性をオペラでと言うことで、地元の方々100人集まって、合唱団を結成。キャストもオーディションで選ばれ、今日はその結団式と言うものに指揮の佐藤宏氏とともに参加しました。
結団式と言うのは、最近良く地方オペラでやりますが、顔合わせですよね。キャストと合唱団、制作、それぞれが顔を合わせてご挨拶をし、その後練習をしたり、食事会になったり色々です。私も佐藤氏もご挨拶をし、その後、スケジュールのこと等こまごましたものを話し合い、3時間くらいで東総を後にしました。
さて演出家がどんな仕事をしているのか、皆さんご存知でしょうか?主な仕事は作品のコンセプト(全体の構成や、方向性)を決め、それを形にして行くことですが、実際には、どうやってそのコンセプトを舞台上で形にして行くのでしょうか。
まず依頼が来ましたら、プランナーを選出します。舞台美術、衣装、照明、必要なら振付家。それからキャストをオーディションで決める場合は、そのオーディションにもちろん参加します。
コンセプト、キャスト、具体的な各プランが出たら、何より重要なお仕事である稽古が始まります。この「稽古場」をいかにうまく回していくかが、演出家のもっとも重要な仕事です。ここには、もちろん演出助手もいますが、彼らの仕事はもっと具体的なことです。稽古場の時間と流れを管理していますから。演出家は管理はしません。そう言う意味ではなく、心理的にどう稽古場を作るかと言うことです。歌い手や稽古場をどう扱って、自分の持っていきたい方向に引っ張っていくか。これが出来ないと演出家としては、まず8割がた成立してません。後の3割りは現場での人間関係をどれだけ円滑にできるかです。演出家は内容だけが良くても、認められません。何故なら、彼らの持っているコンセプトは、自分だけでは形に出来ず、必ず人を介してでないと表現されないものです。ですから、どれだけその人達を自分の方向にもっていくかが重要です。スタッフ、制作、歌い手、あらゆる人や、出来事に気を使い、現場をまわしていきます。そうしていながら、すべてのことに対して責任を持たなければならない。ここが大変な仕事だと、いつも思います。なにせ、お弁当がいるかいらないかに始まって、舞台上の大きな構成まで、聞かれることと言ったら千差万別。それにすべて答える忍耐と度量がいります。そして、出来上がったものは良くても悪くても自分の責任。カーテンコールが嫌いになるわけです(笑)。
もちろん団体の大きさによって、やる仕事は減ったり増えたりしますが、決断を常に下すのは同じこと。そうやって人を使っていく能力があれば、結局は、自分の創りたいものを叶えてくれると私は思っています。と、言うわけで今日も一杯答えを出してきました。それもこれも自分のやりよいように、加えて団体にも心地よく、多分、この感じで頑張れば公演も大成功!を想定して(笑)。
私は、中々演出家だと自分の口から言えない時期がありました。作品の内容を解釈することは好きだし、自分でもある程度の自信は持っているのですが、舞台を魅せる能力が欠けているような気がしているのです。つまり、センスが無い。どうしても、そこに自信がもてない。今回は、そう言う意味でも、久しぶりに各プランナーがそろった公演でもあります。この公演をやりこなしたら、少しは演出家としての自信やプライドも育ってくれるだろうと期待して、これからコンセプトを考えていきます。また、途中経過を記事にしますね。ドキュメント「演出家はこうやって創られる」ははは・・・・・(;;)
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by kuniko_maekawa | 2005-07-25 01:44 | オペラなお仕事 | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。


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