手作り

舞台の仕事をしていると、いろんな意味で「手作り」と言う言葉を聞きます。

文字通り、小道具や衣装などをこつこつと自分の手で作ることもそうですし、「手弁当」と同じ意味で、予算があまり無い時に、持ち寄りのものを出す時、小さな舞台ということでもそう。

以前、この「手作り」と言う言葉は、舞台ではあまり使いたくない感じでした。

ある程度の予算がきちんと組める仕事は、それぞれプランナーを頼むことが出来ます。

ですから、演出家の仕事としては、彼らに対してイメージを捻出し、それを形にしてもらったものをまとめていくことだけになり、己の手は出さないというのがある意味鉄則(これは私のセオリーです)。

しかし「手作り」する舞台というのは、そのどれかがなしえない、予算の無い舞台か、学校公演のように制約がある舞台という感じで、特別感があるからです。

出来ればセオリーどおりに、客席にじっと座って、出てくるものを観ていたいのが信条。
未熟な己はさておいて、形を求めれば必然的にそうなりたいのです。

しかし、昨年から私が関わっている舞台は、すべてが「手作り」感満載。

文字通り、己が手を出してパネルを作ったり、衣装を考えたり、ヘアメイクのデザインまで・・・・。

私は本来、「色」を扱うのが苦手で、そのために、衣装、照明に関しては、絶対にプランナーが欲しい人です。

もちろん舞台美術まで入ってもらえれば涙が出そうなくらい嬉しいことなんですが、まだまだ勉強中の私の舞台は、あらゆる面で「手作り」するしかありません。

しかし、最近、私の中で「手作り」と言う言葉がまったく違った感覚を持って捉えられています。

すごく単純に行ってしまえば、「手作り=楽しい」。
このセオリーが、完全に確立されています。

おおおお~!
結構文字にしたらば恥ずかしい~(=><=)

何故恥ずかしいかといえば、センスが無いからで・・・・・・・・、でも、とりあえずやらねばならない状況から、それが結構自分の世界観を創れると密かに納得できてきました。

私の言う「センス」と言うのは、自分のセンスもそうですが、客席に座っているお客様に対してのことです。

お客様が芝居を観て、「センス良いな~」と感じられるものなのかどうか。

これは内容も含めて、いつも不安が生じるところ。

万人に同じ意見はないとわかっていても、やっぱり限界を超えたくなり、「誰が観ても、美しい舞台が創りたいじゃん!」となる。

プランナーが入ってくだされば、その責任は、ある程度彼らにもあるわけで、「どっかな~、わかるかなあ~」と言う不安を分かち合える(と、言うか任せられる・・・)のですが、これをすべて自分でやるとなると・・・。

今回の鹿児島でのお仕事でも、衣装とヘアは結局自分でデザインを出しました。
すべてではありませんが、結果的には。

どちらを担当してくださる方も、普段は舞台の仕事をなさらない方々。

ですから、色、形、意味、全部を聞かれます。
生地も一緒に買いにいったり、実際に髪を結ってもらって話したり。

大変でしたけど、これをやることが自分の中に「丁寧さ」を生みます。

「手作り=丁寧=楽しい」って図式が気に入ってます。

当たり前じゃ~!!!!
と、怒られそうですが、コンプレックスってやっぱり不安を作るのですよ(^^;)

さて、今週本番を終えたらば、次回は5月にモーツアルトの「ドン・ジョヴァンニ」をやります。

若い歌い手さんたちが1年勉強をして来た試演会ですが、一本作ります。

その時は、小さいながらも舞台、衣装、小道具をすべて私の「手作り」で。
照明はプランナーに参加してもらい、色を固めてもらいます。

先月師匠の舞台を観て、勉強しなおしを心に決めた私。
まずは「手作り」からです!(^^)
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by kuniko_maekawa | 2008-03-10 12:51 | オペラなお仕事 | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。


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