鹿児島オペラ協会公演・オペレッタ「メリー・ウイドウ」

1月からずっとお稽古に通っていました、鹿児島オペラ協会の「メリー・ウイドウ」、15,16日で無事に本番を終えました。

なんどか記事にしていますが、この協会は30年以上の歴史ある団体。
鹿児島在住の声楽家の方々により、長年鹿児島の文化的側面を支えてきた功績があります。

私はもちろん初めてお仕事をいただいて今回参加させていただいたのですが、何よりも協会員の方々が本当に音楽とオペラを愛してらっしゃり、団体を愛してらっしゃるのをヒシヒシと感じながらの二ヶ月間となりました。

「メリー・ウイドウ」はレハールの最初のオペレッタで、彼としても名前を世に出したヒット作品。

ハンナとダニロと言う元恋人たちが故国ポンテヴェドロの公使館での舞踏会で再開します。
身分違いの結婚をダニロの親類に反対されたハンナは、あてつけにパリの大富豪と結婚。ところがこの大富豪が突然亡くなったために、ハンナは莫大な遺産付きの未亡人。
ダニロは再び恋の予感を感じながらも遺産目当てと言われたくなくて言い出せません。
この二人の恋の鞘当を軸に、公使館大使の妻ヴァランシェンヌとパリの伊達男カミーユの浮気、公使館大使の政治的思惑などが絡まって、結局はダニロとハンナが結ばれるまでを綺麗で楽しい音楽と台詞で進行していきます。

皆様も「ヴィリアの歌」や「メリー・ウイドウ・ワルツ」など、多分耳に聞けば、思えばある曲ばかりだと思います。

オペレッタの中でも、特にファンの多いこの作品を、今回は鹿児島オペラ協会の歌い手さんたちが、「鹿児島オペラ協会ヴァージョン」として確立してくださったと思います。

それぞれの役の方が、見事にキャラクターを出してくださったのもそうですが、何より大きな作品の流れの中で、それぞれの役割を会員の方々がわかって演じ、歌ってくださったのか、結果的に「鹿児島オペラ協会ヴァージョン」を作り上げたと思っています。

今回は東京から私が伺ったこともあり、私とのお稽古は少ない時間でした。
しかも、ほとんど段取りではなく、方向性だけお話して稽古場をほったらかし?にする状態でしたので、私が行くまでの間、彼らが自分たちで作品を作っていきました。

これは、最近の私の傾向でもありますが、最初に段取りを渡すのは簡単なのですが、それでは形を追っていくことになるので、嫌なのですね。
出来るだけご自分たちで考え、役を作っていく作業をやっていくのが歌い手の仕事です。

それをこの協会の方々は意図を汲んでくださり、黙って作り上げる稽古をしてくださいました。

特筆すべきことは、すべてが協会の中の歌い手たちで行われていること。

地方の団体はどうしても演奏者の絶対数が少なく、男性なども東京から助演をお願いすることが多い中で、この協会は、すべてのキャストが協会員であり、そのために経験の少ない歌い手たちの配慮や育成にも、お互いに気をかけ、あくまで自分たちで手作りしていく公演をなさっています。

ですから、どのキャリアの方々も突出していません。
皆さんが、同じように稽古場にいらっしゃり、同じように稽古を熱心になさっていく。
それをして、こういう熱い舞台が出来上がるのだと感じました。

これが若い子達に受け継がれ、今回も、踊り子をやりながら裏方をやってくれたり、キャストとして乗っているのに、演出助手(優秀でした!)や舞台監督助手をやり遂げてくれた方など、そのエネルギーとバイタリティーには、こちらが舌を巻くくらい。この人たちがいなかったらば、公演はなしえませんでした。しかも、ちゃんと歌う方をメインに考えていて、裏方も頑張るという、一番良い形が彼女、彼らには見られました。

指揮者は坂本和彦氏。
私は大学を出て初めて入った専門学校のオペラゼミでお会いしてからのお付き合い。(私が歌っている姿を知っている、数少ない方です^^;)
普段は演出助手と指揮者として、の方がご一緒する機会は多いのですが、今回は初めて演出家としてお仕事させていただきました。

ご自身もチューリッヒに留学経験をお持ちで、ドイツ語に堪能なのもそうですが、オペレッタと言う作品の概要、内容も造詣が深く、何よりオペレッタを愛しておられるのが稽古中から感じられ、また、鹿児島オペラ協会とも10年以上の付き合いと言う中での信頼も含め、彼がいたから出来上がった「メリーウイドウ」でありました。

いろんな意味で、本当にいろんなことを教えていただきました。これからもまたご一緒できる機会があれば、と期待する方です。

スタッフも今回は出来るだけ現地の方でお願いしました。
舞台監督と舞台美術家はどうしても打ち合わせが密になるので、東京でお願いしましたが、それ以外は、すべて鹿児島の方々にお願いできました。そして、出来上がったのは、こんな舞台です!
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最後のビームは何ものじゃっ!って言われそうですが、今回カンカンのシーンがあって、この踊り子たちを飾れとばかりに、おもいっきり煙りたいて、ビーム出したわけでして、ついでに言えば、両サイドの柱の明かりもぐるぐる回ってました(笑)。

踊ったのは、先に書いたように、協会の若い歌い手さんたちです。
いやいや~すごかったですよ~。
最初は衣装も恥ずかしがっていたのですが、どうしてどうして、いつの間にか立派な踊り子になって、胸元がっつりメイク入れてました(笑)。

振り付けは瞳まりあさん。
宝塚出身で、関西で振り付けなどをした後、鹿児島に戻られてご自分のスタジオを持っていらっしゃいます。

華やかで、エネルギッシュ、そして生命力に溢れて欲しいという注文を見事に形にしてくださり、素敵なカンカンにになりました。

そして、照明は吉永好人さん。
鹿児島のバレエや芝居を一手に引き受けて舞台を創ってらっしゃる照明家です。

年齢はおそらく、私よりも10は上でらっしゃると思うのですが、本当に丁寧に付き合ってくださり、こんなに綺麗な明かりを出してくださいました。

私の引き出しのなさゆえに、一瞬パニクッた私の目が開くまで我慢強く待ってくださり、良い舞台を創ってくださいました。ただ、ただ感謝っ!

舞台美術は本郷智美さん。
以前、アシスタントとしてご一緒の現場はあったのですが、プランナーとしては始めてお仕事しました。

この方も持ち前の好奇心とエネルギーで、私の目を開かせてくださり、予算上の都合もなんのその、しっかりした強さを持った舞台を創ってくださいました。特に3幕のタペストリーの色と線が舞台の空間を決めてくれました。これで明かりを創ったのです。大切な出会いとなりました(^^)

舞台上のこと以外にも、メイクヘアをやってくださった青山美容室の竹村さん、衣装製作を手伝ってくださった、「ぐーちょきぱー」代表の坂元和子さん、本当に沢山の方々の手をお借りして、今回は成し遂げることが出来ました。感謝ばかりです!

私にしても、久しぶりに多きな器のお仕事でした。
鹿児島オペラ協会の方々も、本当に協力してくださり、私の我侭も沢山聞いてもらって創れた舞台でした。思い出深いです。

これを糧に、また新しい舞台を創り続けていきます。
ここで得たことがどんなことかは、次の舞台を創ってみなければわかりませんが、きっと今までに無い私の引き出しが増えていると思います。

関わってくださった方々に感謝の思いをこめて。
鹿児島の皆さん、また会いましょうね~!!!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2008-03-18 16:30 | 観劇日誌 | Comments(5)

Commented by yesterday1964 at 2008-03-21 13:34
オペラって実はすごく敷居が高いのヨ。
生で一度も観たことがないの。ヨヨヨ
でもうさぎ姉さんを通じてオペラにも興味が湧いてきた。
オペラも大きな意味で手作りなのね。
華やかな舞台を文字通り影で支えてる、
縁の下の力持ちチームの存在が必要不可欠なのね。
イメージを形にするうさぎ姉さんのお仕事は、
産みの苦しみを超えた喜びがあるんだろうな。
いつかオペラに接する機会がありますように!
Commented by kuntz at 2008-03-22 12:50
わ~!トマトさんいらっしゃい!
「オペラのブログ」は初のコメントですね!
是非是非会場に足を運んでください。
広島にもオペラ団体は沢山ありますよ。いつかトマトさんの街にも生きたいですっ!(広島でしたよね?^^;)
Commented by kuntz at 2008-03-22 12:54
コメント途中で送信しちゃった~(^^;)
観てもらってすごく嬉しいです。
興味を持ってもらったことも。
同年代のブログ友達さんに本当にいつも励まされていますから、
なんか姉妹みたいに感じてるので、私の仕事を見てもらえると嬉しい。(^^)
こんな感じで毎日毎日何かを考えています。
もっともっとお客さんに喜んでもらえる敷居の低い舞台を創りますね~。どうもありがとうございますっ!
Commented at 2008-03-24 13:17
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-03-30 20:06
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