レチターレのこと

昨年まで3回続けたレチターレ公演。

これは私のところにオペラ・レッスンを受けに来ている人たちを対象にした試演会です。

毎年、その時一緒に勉強している人たちのことを考えて、演目や構成内容を決めて有料で行っていました。

昨年は照明なんかも入れたりして、公演としても結構面白かったのですが、またも、それを潮にレッスン生が、パタッと来なくなりました。

いつもならば春になると、ひとりふたりと新しいクライアントさんがいらっしゃるのですが、今年はそういう気配もなし。

私自身もずっと演出家仕事の方が忙しかったこともあり、特に募集もかけておらず、なんとなくレッスンもストップしていました。

寂しいことではありますが、これも選ばれる方としてはしょうがないことであり、需要がなくなったのだな~と認識するばかり。

これを生活の糧にはしていませんので、日々のことが変わるわけではありません。
また、新しい出会いを期待して私のクオリティを上げる努力をしてくのみ。

と、言うわけで、毎年楽しんでいただいた方々に申し訳ないのですが、今年は朗読会も、レチターレも、おそらく公演は行いません。

レッスン生がいない限り、舞台上で表現すると言うプロセスは必要ないからです。
これは私のための公演ではないので。

トレーナーをやめるわけではありませんから、また必要な時には声をかけてもらいたいと願っています。

そういえば、タイミングが悪くて、昨年と今年は「稽古場」も発信していません。
あっちが立ってくれば、こっちは立たずって奴ですね(^^;)

今年は体調管理のこともあるので、5月の「D・G」が終わったら、少しずつ新しいことを考えようと思います。

8月には「音演出」します。

これは私が本当にやりたいことへの序章。

時期が来ましたらまた詳細アップしますね(^^)

私のところでプロセスを踏んでくれた歌い手さんたちが、多かれ少なかれ、何かを得て、それを他の舞台で思う存分発揮してくれていることを祈りつつ・・・・。
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by kuniko_maekawa | 2008-04-17 13:19 | レチターレ | Comments(4)

レチターレ報告その2

今回は舞台が結構面白かったので,みんなが明かり合わせの時に写真を撮ってくれました。
今日も、二枚ほど送ってもらったので、載せます。

これは「フィガロの結婚」の伯爵のアリア。
照明機材を持って、伯爵様を追いかけました。
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こちらは「ドン・ジョヴァンニ」からゼルリーナのアリア。「ぶってよ、マゼット」
照明をまたいで、スカートの中から明かりを出して王様をたぶらかしましたよん♪
エロエロで好評でした(^^)
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終わってみれば、収支決算。
今年も黒字となりました!皆さん、どうもありがとう~!!
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by kuniko_maekawa | 2007-11-08 23:28 | レチターレ | Comments(0)

レチターレ第三回公演「王様の観る夢」

いや~いや~、昨日無事に本番が終わりました。

今回は特殊な構成の仕方でしたので、ご覧いただいた方々も色んな受け取り方をしてくださったようです。
足を運んでいただいた方、本当にありがとうございました。

さて、ご報告。

まずは舞台ですが、基本的には反響版を置き、その中にピアノを置きました。そして、もっとも大切なもの。王様の居場所となる玉座なるものが欲しかったので、簡単にそう見えるものを置いてみました。
こんな感じ↓
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周りにあるのは照明機材です。

前回の記事でも書きましたが、今回は照明を舞台セットだと考えていたので、こんな風に、機材を置きっぱなしにしてあります。
下手の小さな台と上手の玉座は、箱馬と言って、台を組む時のベースになる箱を使って作ったもの。簡単なんですよ。
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さて、この舞台に照明を入れてくださったのは、ASGの稲葉直人さん。
もう、もう、本当に丁寧に稽古から付き合ってくださって、すんばらしく美しい明かりを出してくださいました。ちょこっとご紹介。
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携帯で撮ってもらったのと、照明がかなり強く扱ったので、残念ながらはっきりと写ってなかったりするのですが、本番はかなり面白い世界観でした。

稲葉さんといつもご一緒していて思うのは、すごく明かりのタイミングが良いと言うこと。

明かり自体も本当に綺麗に作ってくださるのですが、欲しい時に絶妙のタイミングで明かりを上げてくれたり、落としてくれたりします。
それって空間と芝居と音楽を、ちゃんと肌で感じ取って決して邪魔せず、かといって無意識でもないと言う、まったく感性が良いとしか言いようが無いタイミングなんです。脱帽。

今回は、照明を舞台セットにする、と言う暴挙に出ましたから、明かり合わせに参加者達も付き合ってもらって、場当たりをしながら明かりを創っていきました。

例えば、反響版に当たっている明かりの中に、手をかざして指で模様のような影を出したり、写真のように、照明を持って、歌い手を追っかけたり、詩を読みながら、機材を動かしたり。
本当にわがままやらせてもらいました。
なのに、綺麗な世界が出来てる・・・。才能豊かな人ですね。

参加者達も本当に頑張りました。

レチターレは基本、多く稽古をしません。
それは稽古場で、こなすことではなく、試すことをやりたいからです。

参加者達の経験値と年齢は様々。
でも、それぞれが、それぞれのレベルと経験値で最大級の力を出してくれました。
これも素晴らしかった。

ピアニストたちもしかり。
瀧田亮子ちゃんと、野口幸太君は見事に空間を邪魔せず、けれど空気のように歌い手達に張り付いて、音楽感を広げてくださいました。二人ともまだ若いのにすごい・・・・。感動です。

お客様も様々感じてくださった公演だったようです。
何よりも、レチターレが始まって、初めてのダブルコール。
終わってからもお客様の拍手が鳴り止まず、もう一回緞帳を上げさせてただいたのです。

これは本当に嬉しかった。
きっと参加してくれた歌い手達のよき経験になったと思います。

さて、問題はこれから。
レチターレが終わると、いつもレッスン生が入れ替わります。
これが何年続けていけばいいかと言う、迷いを産みます。

しかし、今年はなんとか続けてくれそうな気配。
だとしたら、来年があります。再来年があります。

プロセスとして続けていってこそ、レチターレの意味があります。そうなることを本当に望んでいます。

お手伝いの方がも含めて、今回も沢山の人たちの協力と支えで公演は終わりました。
伝えきれない感謝の思いをこめて。本当に皆さん、ありがとうございました!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2007-11-07 22:43 | レチターレ | Comments(2)

本番間近

さて~、昨日最後の合同稽古を終え、今日は通し稽古となります。

レチターレの本番まで後3日を残すこととなりました。

10月の末に二回の合同稽古を終えて、二日間稽古は休みました。
その二回の稽古は先の記事でも書きましたように、照明も入ってすごくテンションの高い稽古でした。

さすがに疲れただろうと二日間の休憩を入れたわけですが、戻ってきて昨日稽古したらば案の定稽古場がぼんやりしています。

ははは・・・やっぱりね(--#)

これは良くあることですね。

オペラを一本やっても、大抵は場面を分けて稽古しますから、通し稽古をしてみないと流れがつかめない。
レチターレでも、最初は個人的な稽古しかしませんから、どんなに口で説明してもイメージでは具体的にならないですから、それを実際に体験するのが合同稽古です。

それで二回の稽古では流れと、実際にどんな構成になっているのか確認してお休みとなりました。

昨日はそれを更に思い出して膨らますための稽古でしたが、ここで稽古場での経験値と言うものがあらわになりますね。

これは不思議なもので、稽古場を離れている期間が長ければ長いほど、こう言う稽古にうまく集中できません。

例えば、一番若い参加者は、今年研究生を修了したばかり。
と言うことは、修了公演を3月に行っていますので、まだ稽古場の感覚が残っているのですね。

男の子達も、基本的には女の子よりも合唱団や脇役的なことで舞台に乗っている回数は多いですから、これも集中できる。

しかし、研究生を離れてしばらく稽古場と言うものに通わなかったり、あまりオペラの舞台を踏んだことが無い人は、明らかに集中力が戻ってきません。必死になってやるだけだから力が入って身にならない。

レチターレの稽古は少ないです。
音楽稽古、立ち稽古、合同稽古、通し稽古、合わせても一人12,3回で終わります。

もちろん、稽古をやればやるほど良くなるのはわかっています。
敢えてそれをしないのは、稽古場の意味をわかって欲しいからです。

稽古場は試すところ。
出来ることも出来ないことも稽古場にさらけ出して、己を知る場所です。

そこで出来なかったものを自分で解消してから稽古場に来る。

本番までに仕上がることだけが目的ではありません。
大切なのはプロセスですから。もし、本番までに出来なかったとしても、今はそれだけの力量しかないと、己が知ることが大切なんです。

と、言うわけで、今日も頑張ってきます。
それでも、本番はきっと良いものになります。いつもそうですから。

信じることも演出家の大切な仕事なんですね。(^^)

後、もう少しですが、まだチケットご用意できます。
6日(火)18:30より、角筈区民ホールにて開演です。どうぞ、会場にお越しください!
お待ちしています~!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2007-11-03 12:33 | レチターレ | Comments(2)

合同稽古が始まりました!

いやいや~、後一週間でレチターレの本番となります!
あっという間の一月余り。

今までは個人的な稽古をずっとやっていたわけですが、一昨日から合同稽古を始めました。

これは一人ひとりが作ったものはそのままで、「王様の観る夢」と言う構成舞台を全員で作っていく稽古。

今までは歌うだけだったのが、間に入っている詩の部分も形にしていきます。

今回は照明も絡んで世界を作っていきますから、昨日は照明さんが機材をわざわざ稽古場に持ち込んでくださいました。

例えばこう言う機材。
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いわゆる照明機材ですが、これが舞台の上に置いてあり、その中で皆が夢の世界を生きていきます。

こんなふうに・・・
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ま、これがどの場面かはご想像にお任せです。(^^)

かなり面白いです!
本番は11月6日(火)18時半から。角筈区民ホールにて。(大江戸線都庁前駅徒歩7分)
チケットは1800円。当日券もありますよん!
どうぞ、どうぞ、会場に足をお運びください。そして、私たちが作った夢の世界を是非堪能していただきたいです!

ご来場をお待ちしていま~す!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2007-10-31 21:58 | レチターレ | Comments(0)

立ち稽古が進んでいます!

先週から入った立ち稽古。一週間が終わりかかって、それぞれの歌い手が三回ある立ち稽古の一回目のクルーを終わります。

ここまでは段取りを渡して、どんな流れになっていくのかを伝えているところ。

二回目からはその段取りを更に音楽的なことと合わせて作っていきます。

そして三回が終わったところで合同稽古。
お客様に提供する構成舞台を創っていきます。

今回は色んな意味で今までとは違った面白さがあります。

まずはアリアと言う楽曲の強さ。

内容もさることながら、心理を語る言葉がはっきりしており、それぞれの歌い手のパーソナリティや力量があからさまになります。
それに、一場面を一人で持たせるようなものですから、中々しんどい。

それから照明。
先日打ち合わせをしたことを加味しながら作っているわけですが、基本的には歌がこけると、照明も生きないと言う相乗効果を狙っているので、案外微妙なバランスが感じられます。

それと、今回の私の創りかた。

アンサンブルをやっている時は、どんなに間に詩や戯曲を挟んでも、楽曲の内容を外すことができません。
二人役がいると場面は成立してしまうのですね。状況説明の部分が多いのです。

しかし、アリアとなると、何度も書きますが、個人的な感情や言葉しか語られませんから、むしろ歌曲のようにその言葉をどう解釈しても成立します。

なので、逆に机上の空想がかたちにならず、結局は何も考えずに稽古場に行き、歌い手が実際に歌うのを聴きながら、または歌い手と話をしながら形を追っていきます。

その結果、今までに無い自由さがあり、そして絵的な形がどんどん創られていきます。
これは初体験で、かなり私の感性が揺さぶられる感じがあります。

これを舞台に乗せて、明かりを入れたときに一体どんな世界になるのかは、まったく想像できません。私も、照明の稲葉君も、話をしながらも曖昧な部分を多く残しましたから、蓋を開けてみるまでどうなるのかはわかりません。

でも、多分、かなり面白い舞台になると踏んでいます。

ふっと湧いてくるイメージ。
それによって変わってくる歌い手達、ピアニスト達。私。

幕が開いたその瞬間にきっとすべてが明らかになると思っています。

どうぞ、会場に足を運んでくださいね。
是非とも、その証人になっていただきたいです。

本番は11月6日(火)角筈区民ホールで18:30からです。
全席自由1800円。これって、本当に安いです。

会場でお会いできるのを楽しみにしています!絶対に損はさせませんから!(^^)
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by kuniko_maekawa | 2007-10-19 21:14 | レチターレ | Comments(2)

照明の打ち合わせをしました!

さて、今年のレチターレの呼び物は「照明を入れる」です!

元々レチターレは試演会。
私と一緒にオペラの勉強をしているクライアントさんが机上の勉強だけでなく、実際にお客様の前で表現をすると言うことを経験するのが目的。

ですから、私のためには一切何もしないというのが心情でした。

もちろん今回もそうするつもりでしたが、う~ん、なんかすみません、ちょこっとだけ欲求が・・・。

一つにはアリアばかりを集めたと言うことがあります。

アンサンブルをやっている時は、やはり場面が動きやすいですから、お互いの息や音楽性でも状況が作れる。しかし、アリアは心象心理。一人で歌っているだけでは状況は変わらないだろうと・・・。

作り始めると、案外内容が創られるものだと認識したものの、もう一つ空間を動かすものが欲しくなりました。

それと、今年に入って色んな人や現場での関わりあい方が変わってきて、もっと私のクオリティを上げてみたくなったこと。それで、思い切って新しいことを試してみようと思い立ちました。

今回照明を担当してくださるのは、いつも私の演出のものをお願いしている、ASGの稲葉直人君。

まだ30代の前半ですが、素晴らしく良い感性と綺麗な色を作れる人。
私の予測をいつも裏切ってくれるのも、楽しい人です。

中々ご一緒する機会が無いのですが、今回は思い切って肩を借りることに・・・。
そこで打ち合わせと相成りました。

さて、角筈区民センターは小さなホールです。
客席も230席。

予算の都合上、セットなどがあるわけではありませんから、反響版を置いて、その中にピアノとちょっとした座れたり立ったり出来るものを置き、歌い手を動かしていきます。

私が考えていたのは、照明も機材を表に出して、それをセットとして使うこと。

例えば、照明機材を持って動かしたり、方向を変えたり、またいだりと言ったこと。
壁に当たっている明かりに手をかざしたり、逆に照明を塞いでしまったり。

しかし、考え始めると、これってかなりの「無限大の不自由」を産みます。

つまり、なんでもありだから、逆に決まらない。
制約があった方が、物事は決めやすいのです。

いざ、図面を出して楽譜を出して、話を始めた時点で・・・。
「あ~・・・どうしようか???」「これって無限大ですよね。」「う~ん・・・」

ま、想定内です(^^;)。

もともと「制約がある中の自由」が感じられるからオペラが好きだったりするんです。
あるものを解釈した方が想像力が働く。私のフィールドは結構狭いんですね。

逆に、若いとはいえ稲葉君は数ある現場をこなしている人。
私よりもはるかに大きなフィールドで仕事してます。色んな演出家の明かりを出してる。

頼るべきはこう言う才能です。

ってことで、私のやりたいことを絵コンテを出すみたいに勝手に話をさせていただいて、なんとなく・・・の方向性を作りました。(^^;)ほんとお疲れ様~・・・。

でも、こう言う作業は本当に楽しいです。
どこか現実的ではないんですが、それでも実際に出せるかもしれないと言う可能性も含めて絵を考えていきます。

歌い手達も全員がすごく動けるわけではないのですし、それぞれが違う人間ですから、息が違う。私の思った通りの絵が出来るとは限りませんが、逆に絵を決めてしまえば、そこから派生することもある。

すごく意味のある、そして経験値の上がる打ち合わせでした。

こうやって丁寧なもの作りをずっと続けて行きたいです。
これがお客様の前に出る時は、きっと、もっと単純なことになるはず。

それでも、その単純さの中に上質なクオリティがあればきっとお客様を無意識に高いレベルで楽しませることが出来ると思っています。

昨日から立ち稽古に入りました。
12日に明かりを打ち合わせしたことを加味しながら、絵を作っていきます。
大変だけど、楽しい時間ですね。

私の作ったへたくそな舞台模型と、打ち合わせで大活躍したチビっこスポット。↓
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本番は11月6日(火)18時半から角筈区民ホールでやってます!全自由席1800円。
ほんっとに面白いですから、是非、会場にいらしてくださ~い!!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2007-10-14 14:16 | レチターレ | Comments(0)

故意的と言うこと

「稽古場」や「レチターレ」が始まると、やたら更新が活発になる「オペラなブログ」であります(^^;)

10人の歌い手さん、それぞれの音楽稽古が終わりに近づいてきました。
一人はプロの歌手ですから、通し稽古で初めて合わすと言う暴挙をやろうと思っていますが、後の10人は、まだまだセミプロ。あるいは卵。なのできっちりと3回、アリアを作っていく作業をしています。

最近、レチターレに限らず、どこでも私が良く口に出していることの一つに、楽譜に書いてある情報を、どれだけ「故意的に使えるか」と言うことがあります。

とても単純なことです。

楽譜の情報に関しては、再三記事にもしていますが、音楽表記、ダイナミックス、音符の長さ、フラット、シャープ、さまざまなことが書き込まれてあり、それを忠実にやることによって、作曲家の作りたかった音楽が、ある程度わかってくるのは周知のこと。

しかし、理解していく段階は、まだ個人的な知識を増やしていく作業で、実際にこれらの情報を表現として使っていくためには、かなり故意的な作業が必要となります。

つまり、「わざとやる」と言うこと。

例えば、「Io ・八部休符・T'amo」と楽譜に入っているといます。ダイナミックスは「Io」がフォルテ。「T'amo」にデクレシェンド、しかも最後の「mo」が二部音符の長さだったりする。

これをどう感情として表すかと言う時に、少なくとも、最初の「IO」に激しい感情が伴い、次の「T'amo」がその感情を段々に柔らかくしていくなどと想像ができます。

これをシチュエーションの中の役としてどう台詞にしていくかと言う時に、かなり「故意的」な作業が必要となるのです。

T'amoの前の八部休符を音を立ててブレスをする。鋭くする。デクレシェンドを必要以上に急激にやってみる。

実際にどれくらいの大きさで歌えなどとは指定がありませんから、それこそ、その時の感情の幅で、いくらでも声を大きくも小さくも使えるわけです。

しかし、その程度を決めていくのは歌い手の作業です。

おわかりでしょうかね。
歌い手の力量や想像力によって、如何様にも楽譜は変容すると言うことです。
そして、それがその歌手のオリジナルとなっていくのです。

オペラは感情を入れる前に、音楽が流れており、それを歌うことによってある程度の状況が無意識の内に作られます。

だからこそ、演奏者の方が、そこにある情報をかなり大げさに、わざと使っていかなければ、色がまったくなくなる可能性があります。

台詞で言えば、抑揚が無くなると言う事。

しかし、楽譜の内容、例えば、音符の長さを変えて感情を伝えると言うのは邪道です。(少なくとも、私はそう思っています)

そんなことは誰でも出来る。

作曲家の書いた音符を表現にしてこそ、演奏者の力量が見えるというもの。

そのためにも、どれくらい「故意的な」作業が出来るか。

今回も音楽稽古をしながら、そのことに終始しています。
歌い手の意識がそこに集中した途端に、シチュエーションと役が見えてくるのです。
それでこそ、アリアをやる意味があります。

さて、来週から立ち稽古に入って行きますが、今度はその「故意的」な作業を体と結びつけて行きます。

言葉のモチベーションが、どれだけ体を動かしていくか。
もう一分張り頑張りますよ~ん!!(^0^)

ほんっとに何回でもお知らせしますが、本番は11月6日(火)18時半からです。
角筈区民ホールにて全自由席1800円。

どうぞ、会場に足をお運びいただいて、結果をお聞きくださいね~。お待ちしています~!!
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by kuniko_maekawa | 2007-10-10 12:31 | レチターレ | Comments(0)

アリアの情景

さてさて、レチターレの音楽稽古が続いています。

今回はアリアで構成していく舞台。
音楽稽古もいつものように指揮者をいれずに、私と歌い手さんとピアニストで作っていきます。

これはこれで結構ヘビー。

先の記事にも書きましたが、アリアと言うのはオペラの人物達の直接的な感情と言葉で作られています。

だからこそ、一本やる時は、演出も指揮も、ほとんど歌い手にお任せの部分です。

相手がいたり、合唱団を背に歌うようなアリアならば、少しは演出も出来るのですが、場面としても一人で、心象心理を歌うものであれば、まず、演出家は手を出しません。

本人が気持ちを伝えれば良いだけですから。
稽古もほとんどしないくらいです。

しかし、今回は、その部分を表に取り出そうとしていますから、歌う方も、こちらも楽譜との距離を離して、役柄を客観的に見ないと情景が見えてきません。

例えば、「フィガロの結婚」の伯爵のアリアを歌うとします。
有名なアリアですよね「Hai gia vinta la causa(もう訴訟に勝っただと)」

これは3幕のアリアで、スザンナが伯爵夫人に頼まれて、伯爵を庭に誘い出すと言う場面の後、逢引の約束をしたスザンナが、フィガロに向かって「この訴訟は勝ったわよ」と言うのを聞いていた伯爵が、自分の召使に勝手にさせないと歌うものです。

大抵このアリアを歌うときには、フィガロへの怒りを面に出して歌いますが、そもそも、何故彼が怒っているかと言うのは、案外曖昧なのです。

そのためには楽譜を読むしかないのですが、もう一つ、伯爵の生活感と言うものも、大いにものを言います。

つまり、彼は一般人ではなく、「伯爵」と言う、かなり高い地位の貴族であるために、日々、自分が手を煩わすことが少ない。

これは悩み事や問題に対してもそうで、例えば、召使が自分を馬鹿にすることなど考えられなしだろうし、それを自分自身で解決することもしないだろうと思います。

つまり、その召使を首にするとか、ひょっとして殺すことも出来る「権利」が彼にあるからであって、わざわざ考える必要が無いのですね。

そういったことを楽譜の中から捕らえて、客観的に役を作っていく。

その上での台詞として、リブレットや音楽を扱う。

文章にするのは簡単ですが、やってみるとなると、本当に大変。

テクニック的なことも含めて、この立場での心理状態を言葉で伝えるとなると、相当の芝居っけと度量がいります。

とても、中途半端に扱えない。
稽古が終わった後は、私も、歌い手も、ピアニストもぐったりです(^^;)

音楽的な部分も、本当に歌のラインに添ってきます。
あるいは、突き放す。

感情的な音の流れが多いのですね。

難しい・・・けれど、かなり面白いです。

たった一人で役としての心理をどう語っていくか、どう歌っていくか・・・。
歌い手達も力量を試されることとなりました。

今回は照明もそれを邪魔しない、けれど、絶対に必要な舞台セットとして置いてもらおうと思っています。

これね~、ほんっとに1800円じゃ安いですよ~(笑)。

何度でも書きます。
11月6日(火)角筈区民ホール18時開場、18時開演です。チケットお求め、お早めに!
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by kuniko_maekawa | 2007-10-06 00:20 | レチターレ | Comments(2)

音楽稽古が始まりました!

さて、前回の記事でも告知しましたが、11月6日にレチターレ第三回公演を行うこととなり、一昨日から音楽稽古が始まりました。

今回は、オペラのアリアばかりを集めて、構成していきます。

音楽稽古といいながらも、いつもと違って指揮者も入らずに、私と参加してくれる歌い手たちとの一対一の稽古です。

それにしても、アリアと言うもの。

通常は一本のオペラの中で、特別に扱われるものですが、今まではそれが、テクニック的や声的に聴かせるところだからだと勝手に思っていました。

今回、アリアを構成するに当たり、そんな考え、全然間違ってたと思いましたね。

アリアと言うのはその登場人物が、自分の心情を自分の言葉で語るものであり、実は一番言葉を必要とし、解釈を必要とするものだと言う事に気づいたのです。

今年のレチターレのお題は「王様の観る夢」

参加してくださる藤原歌劇団団員の中村靖さんがボロディンのオペラ「イーゴリ公」のアリアを歌われるのですが、「イーゴリ公」から勝手に王様のイメージをもらって、それと合わせてシェークスピアの「リア王」をモティーフにしようと考えていました。

いざ構成を作り始めたときに、どうやってもシェークスピアの台本とかみ合ってこないのです。

もちろん、楽曲自体は歌い手さんに選んでもらったので、バラバラに集まってきていますが、いつもはバラバラの場面を戯曲を使って構成したりしてましたので、問題なくいけると思っていたのです。

ところが、どの台詞を持ってきても、アリアと繋がっていかない。

う~ん、なんでなんだろう?????

そして思い当たりました。

アリアって、心象心理がストレートなんだって。

つまり、個人が考えている事がダイレクトな言葉となって語られています。それを上乗せするように、感情的な音楽がついてくる。

芝居の台詞よりも、音楽が煽る分だけ強い言葉と感情表現があるのです。

こうなったらば、戯曲の台詞は勝てません。

もちろん、声としてしゃべれば別かもしれませんが、内容を殺すことが出来ないのです。

うわ~、参ったよ~(;;)。どえらい難しいこと始めちゃったなあ・・・・・。

しかし、泣いてもしょうがないので、考え方を変えて、王様の観る夢をもっとイメージに近いものにしました。

王様と言う人物よりも、見ている夢の方が現実に見えるみたいに作れたら面白いと思います。

それで、今回は詩のみを集めて構成。

それも、かなり抽象的な王様繋がりで集めてみました。

これが、それぞれのアリアの登場人物をどうあいまって行くのかわかりませんが、何とかやってみようかと思います。

良かった~、照明入ってもらって~(^^;)

11月6日角筈区民ホール18:30開演です。
出演者は赤根純子、大内杏奈、稲葉美貴、斎藤みほろ、末吉朋子、宗心裕子、宮本彩音、渡辺文子、東玄彦、平岡基、中村靖の11人。

なぜかソプラノとバリトンのみの参加となりましたが、それぞれのパーソナリティでアリアを作るつもりです、乞うご期待!チケットは1800円。この金額は相当安いです(笑)。

是非、会場に足を運んでくださいね~!!!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2007-09-27 23:13 | レチターレ | Comments(0)