さよなら2008年!

いつの間にか大晦日です。

びっくりするような時間の早さでしたが、とりあえず、1年間無事に過ごすことができました。

ものすごくゆっくりペースのこのブログを根気よく覗いてくださった方々、本当にありがとうございます。

2009年も相変わらずのんびりペースの更新となりますが、どうぞ替わらないご愛顧を!

年明けは私が勤めている洗足音楽大学の大学院生によるオペラガラコンサートが仕事始め。

1月14日18時より、洗足音楽大学内前田ホールにて上演です。

指揮はイタリアからアレッサンドロ・ベニーニと言う私と同年代の指揮者が来日します。

1年間、彼らが勉強してきたオペラのアンサンブルを構成舞台にして皆様にお見せしますよ。

全自由席1000円です。

頑張ってる彼らにエールを送ってやってくださいね~。

今年は本当にゆっくりと時間を使って舞台を作りました。

いろんな人たちに協力していただき、良い公演をやりました。

感謝、感謝の1年でした!

本当にありがとうございました!

2009年も頑張ってよい舞台を作っていきます。

どうぞ、皆様、よろしくお願いいたします。

後、何時間かで年明けですね。

良いお年をお過ごし下さい(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2008-12-31 11:23 | トレーナーのつぶやき | Comments(0)

メイクアップ

本日はメイクの打ち合わせに行きました。

これは年明けにあるS音楽大学の公演のためで、本来ならば、一人ひとりに役柄にあわせてメイクをしていただくのですが、やはり時間も予算も厳しいので、学生たちを集めてメイク講習なるものをやっていただこうと、事を運んでいるのです。

ここで不思議だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

衣装のことで演出家が打ち合わせをすると言うのは、想像できるかと思いますが、メイクさんと演出家でどんな話をするのかと言うことは、ちょっと想像できないかもしれません。

実はメイクに関しては、衣装家を挟んでの打ち合わせがほとんどです。

それは身に着けるデザインに関して、やはり衣装家の範疇になるからです。

衣装家は、まず演出家と話をしたらば、デザイン画を起こしてくるのですが、ただ、服の絵だけがあるのではなくて、まるで挿絵のように登場人物の絵が描かれています。

例えば、ボエームのミミの衣装画だったらば、ちゃんとロウソクを手に持って、今にもロドルフォに話しかけようとしているような絵だったりね。

役柄としての衣装をデザインしているわけだから、当然ですよね。

ですから、実は衣装家の絵の力量って相当物を言います。

人によっては背景まで描く人も・・・。これには舌を巻きますね。

で、そこにはちゃんと髪型も、それからメイクの色も衣装家のイメージするものが描かれてきています。

ですから、まずこの絵を参考に、ヘアメイクさんと一緒に演出家と打ち合わせをするのですね。

ヘアとメイクのデザイナーは別の場合もありますし、一緒の時もあります。

衣装家にとっては、まさにイメージを形にしてくれる人たちでありますから、あうんの呼吸が大切でしょうね。

今回は、衣装家が入っているわけではないのと、メイク講習と言う変わった形態をとるので、私が直接メイクさんとお会いして、お話をさせていただいたというわけです。

メイクに関しては、私はまったく素人です。

こんなこと告白するなって感じですが、予算枠がない公演であればあるほど、メイクは歌い手や役者が自分でしたりするので、メイクさんが入ってくださるのはある程度の予算がある公演に限ります。

私の仕事はほとんどが予算が無い公演ですから、中々お願いする機会がありませんでした。

そういう意味では、こういう学校公演などで、なんとか入っていただいて関係を繋げさせていただけるのはまことにありがたい。

今回お願いしたのは、ヘアメイクアーティストのエイミー前田さん。

とにかく色んなお仕事をなさっている方で、オペラの来日公演から、イベント、芝居、成人式の気付まで、ほんとにすごいです。

勉強の仕方も半端じゃなくて、メイクはともかく、着付けや和裁、かつらの作り方、とにかく必要だと思ったことは全て身につけている感じ。7年程NYで研鑽も積んらっしゃいます。

メイクに知識が薄い私には、勉強するチャンスです。
胸を借りるつもりで色々とお話を聞かせていただきました。

メイクは普通ドーランと言われるものを塗って肌の色を作ります。

これは色の濃さで番数が決まっており、年寄りや、男、女、子供等、役柄によって濃さを決めていきます。

例えば、娘役なら24番とか男性なら27番とか(合ってるかな^^;)

これは非常に微妙な仕事で、相手が何せ人間ですから、その日の体調や気持ちの浮き沈みなど、ちょっとしたことで肌色が変わるのだそうです。

ですから、最初に色を決めておいても、当日ベースを変えることもしばしばなんですって。

この色や塗り方、アイラインやハイライト、皺の描き方、ひげの描き方、とにかく顔を変えるのってこんなにやり方があるのかと思うくらい、様々なアイテムや方法がありますが、こういうことは、実際に塗っているほうも結構詳しくなり、歌い手さんなんかは非常に上手にメイクする人もいますね。

私は、自分が化粧をしないということも輪をかけて、こういった作業が苦手です。

苦手なので、あんまり勉強してないのが事実。(^^;)

食わず嫌いも最たるもんです。

前田さんのお話を聞きながらも、びっくりすることや、知らないことばかりで、あっという間に3時間くらい話しこんでしまいました。

奥が深いとはこの事。

それにしても、彼女の勉強振りを聴きながら、「それだけ勉強するのって大変でしたよね」って思わず口に出してしまったらば、彼女はいとも簡単に「この仕事が大好きなんです!」って・・・。

こんなこと自然にいえるなんてすごいですよ。

刺激的な打ち合わせとなりました。

今年度の試演会はいろんな意味で、恵まれています(^^)

最後に頑張るのは学生たち。

とにかく、出きるだけ良い形で舞台に送り出してあげたいですね。

公演のお知らせはまた近日アップします!
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by kuniko_maekawa | 2008-12-18 23:55 | オペラなお仕事 | Comments(1)

柴山晴美ソプラノ・リサイタル「A Dio Roma」

友人であり、ソプラノ歌手である柴山晴美さんのコンサートに行ってきました。

代々木八幡にあるハクジュホールと言う非常に音響の良い小さな空間で、16世紀のスペイン歌曲とイタリア初期バロック作品を聴きました。

このコンサートはつのだたかしさんと言うリュート奏者では第一人者の方とのコラボレーション。

つのださんがプロデュースし、ハクジュホールが提携している古楽ルネサンスシリーズの一環です。

このコラボを聴くのは二回目で、前回もイタリアバロック音楽を堪能し、素晴らしく感動したのを覚えています。

今回も期待を裏切らない素晴らしいコンサートでした。

柴山さんの声は本当に明るく、綺麗な響きでバロックの歌唱の特徴であるノンビブラートで細部に渡って、丁寧に声を使っているという感じでした。

実際にこういう歌い方をするのは普通にベルカントで歌うよりもテクニックとセンスが必要な感じがしてるのですが、彼女は気負わず自然に、良い響きを創り、その響きの中に詩を語ってきます。

やわらかいリュートの音ともすごく合っていて、まるでオルゴールを聴いているみたいに心地よい空間でした。

前半のスペイン歌曲は初めて聞くものばかりでしたが、スペインものを聴くといつも感じる「乾き」のある言葉を、感情を込めて、あるいは手を叩いたり、足を踏み鳴らしながら歌われていきます。

柴山さんのこういう歌曲を聴いていると、歌うことと語ることとどちらでも感じてくれて良いという広さを感じます。

きっとこれが彼女の感性なんだと思い、それが耳に心地よいです。

彼女には申し訳ないですが、演奏の間、ずっと他のことを考えながらとか、プログラムを読みながらとか、自分の部屋にいて普段やることをやっていたくなるような気持ちよさなんです。
(もちろん、聴いてましたよ、ちゃんと!)

それくらい空間の中に良い風を送ることができる。
前回もそうでしたが、自然と身体をゆらして楽しみたくなる・・・。

彼女の努力もあるのでしょうが、聴くごとに豊かな音楽になっていくような気がします。

後半のイタリア初期バロックは真骨頂で、前回と同様すごく楽しく聴きました。

今回、もう一つ感動したのは表現の幅です。

これは表題である「A Dio Roma」と言うアリアに現れました。

楽曲は、モンテヴェルディの有名なオペラ「ポッペアの戴冠」の中で、皇帝ネロに裏切られ、国を追放されるオッターヴィアと言う悲劇の女王が、まさに国を出る岸辺で歌う曲ですが、この悲哀がドキッとするような息の使い方、声の使い方で語られ、思わず胸を締め付けられるようでした。

普段はとても明るく、少女のような彼女の中に、大人の女性としてのネガティブな部分、成熟さを確かに感じ、感動しました。

この方は、本当に努力の方。

御主人も藤原歌劇団などで御活躍のバリトン歌手ですが、彼を支えながら、自分の勉強をずっとずっと丁寧に続けています。

その成果が、こうやって聴いているものの胸を打つ。

彼女の人柄や人生みたいなものが、本当に豊かに感じられました。

これからもずっとこのシリーズを続けて行って頂きたいと切に願うと同時に、これから先の彼女の世界が、どう変わっていくのか、それをずっと聴いていきたいと心に思った一時でした。

晴美ちゃん!本当に、お疲れ様でした!(^0^)
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by kuniko_maekawa | 2008-12-11 14:19 | 観劇日誌 | Comments(0)

ダンスシアター他動式公演「いつかの休日」

先週の土曜日は良い天気でさほど寒くも無かった。

そういう日にふさわしい公演を観てきました。

振り付け家で演出家の伊藤多恵さん率いる、ダンスシアター他動式公演「いつかの休日」

神楽坂にあるセッションハウスと言う「ダンスのための小劇場」と銘打った小さなホール。

ホールと言ううよりスタジオのような空間です。

そのスペースの上手奥にコントラバスと三人の奏者による打楽器が置いてあり、後は空色に塗られたベンチが一つ。

そこにカラフルな花柄のワンピースを着た女性が三人と、男性が一人。

そして言葉を語る女優が一人。

繰り広げられるのは、「休日」

この言葉をテーマに、ダンサーと役者がまるで画集をめくるように、場面を作って行きます。

伊藤多恵さんは昔から良くお仕事を御一緒させていただいていて、なんども振付ける様を見させていただいているのですが、彼女の投げかけは独特。

例えば、「自分の背中の届かない部分に食べ物があって、何日も食べてないから、どうしても欲しくて、それを取って、喰らうとどうなる?」みたいな・・・(笑)。

これを30人いれば、30人一人ひとりに違う投げ賭けをして、それをあわせて一つの形を作ったりする。

振り付けをしながら、彼女自身はすごく「言葉」を持っている人で、言葉とイメージが身体を動かすというごくごく自然なことを、すごく拡げていつの間にか、舞踊となっている感じ。

その言葉とのやりとりが私は大好きで、彼女の言葉のマジックに私も是非かかってみたいと常々思っているのです。

さて、7月にやった「かもねぎショット」の公演もそうだったのですが、今回も、彼女の作る舞踊の中心は、やはり言葉のような気がしました。

いくつかの場面の中で、新井純さんという女優さんが歌を歌ったり、小説を朗読したりしたのですが、面白かったのは、彼女の朗読してる言葉の中で、一人のダンサーがずっと踊り続けているという場面。

新井さんの言葉の扱い方もすごく良かったのですが、その言葉を音楽として、横で動いているダンサーを見ながら、両方が同じレベルで感じられます。

なんだろう・・・・言葉の音にダンサーの体が反応しているような感じ。

それは、言葉の具体的なイメージを体現するのとは違います。
それだとあてぶりになっちゃうんだと思う。

うまくいえませんが、無意識に風を感じるというのかな・・・。

唯一役者だった新井純さんの言葉は本当に綺麗。

これもうまくいえないけれど、素晴らしく耳に心地よい音の羅列。

その中で伊藤さんの振り付けが止まることなく空間が動いていく。

こればかりは文章にするのが本当に難しいので、まったくの抽象的な感想になっちゃいますが・・・。

とにかく、人間を使って風を作るってこんなふうなのかなと思います。

この公演にはテーマ曲がありました。
「まさかの休日」と言う歌。

「もしも柿ピーの柿が本物の柿だったら?
もしも亀の子たわしが本当の亀の子だったら?
毎日ハッピィ
もしも文化シャッターから文化が奪われてしまったら!
もしも大阪府知事が去勢されてしまったとしたら!
だけど けれど ミソも クソもなあい

きょうはお休みの日
ドリーミーなバラエティの日
空虚でゴージャスで
刹那的で快楽主義的
降って沸いたでっち上げの日」

まさに、ここに書いてあることを全部作った感じ。

炊き込みご飯を食べたような曖昧な美味しさな公演でした(^^)

最近、本当に感想がへたくそになったかも・・・・(^^;)

やっぱ観るのが一番ですよっ!
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by kuniko_maekawa | 2008-12-08 22:42 | 観劇日誌 | Comments(0)

衣装の効力

お、珍しく「オペラなブログ」が更新される模様・・・・。

最近暇なので、ふと思いつくことが結構あったりして・・・(笑)。
全然更新しなくても覗きに着てくださる方々、ありがとうございます!

さて、年明けに行われるS音楽大学の試演会のためにただ今準備中。

基本的には授業の発表会ですから、大げさなことは出来ないまでも、大学院などは、やはり、この先のことも考えてできるだけ公演と言う形をとろうと頑張っています。

ので、舞台のセットや照明、衣装のことなども久しぶりに「創る」と言うことを考えているのですが、こういう小さな枠の公演で一番こまるのは衣装です。

大きな公演ですと、衣装デザイナーの元、製作したり、東京衣装や松竹衣装など、リース会社で借りるとかやるわけですが、学校公演などではそこまでの予算が出ないことがしばしば。

そこで、色んな手を駆使して衣装を揃えていくのですが、困るのはほとんどが18世紀から19世紀の衣装が必要だということ。

つまり、その時代にオペラが多く作られたって事ですが、時代物は考証も含めて難しいのですね。

デザイナーはもちろん、演出家も演出部も着る方も、それぞれが知っていて着こなせるものでもあります。

今回は学校に残っている衣装と、お借りしたり作ったりしてなんとか事なきを得そうですが、こうまでして衣装を身に着けるのは、何も役柄を飾るためだけではありません。

身に着けるものと言うのは、実にその人の生活習慣を表すもの。

例えば、フィガロやスザンナのような使用人たちは、長袖を肘より上に折り曲げていたりします。

これは働く人であるがためにでありますから当然ですが、じゃあどうして半そでにしないのかとか、冬はセーターなどを着ないのかと色々疑問が起こりますよね。

そこから色んなことが派生していく。

この時代、季節の温度は今とどれくらい違うのか、彼らはどんな仕事をしていたのか、そもそも、セーターはいつの時代からあったのかとか、その代わりにチェニックを着ているのか、どうして女性のシャツには襟がないのか等々・・・・(ここで全部答えると思ったら大間違い、調べてください!^^)

貴族たちにしても、18世紀の女性のドレスなどは七部丈の袖にビラビラと何段も重ねたレースの飾り袖(アンガージャレットなどといったりもします)が着いている、どう考えても日常的でないのは当たり前で、元々貴族は働く必要など無いのだから袖をまくる必要などない。

男性にしても、お洒落をすると言うことの方が大重要な要素でしたから、やはり袖口にビラビラとレースをつけました。

ジレーと言う飾り襟もそうですね。

逆に、牽制を誇るということで、スペインの王様やエリザベス女王がつけているようなカラーなどもありました。

衣装の生地や色が時代設定を決めるときもあります。

例えば、18世紀にはいわゆる「白」と言う生地がなかった。
生成りとかアイボリーといったものはありました。

これはね~、まだ漂白技術が無かったからなんですって。

今私たちが着ているワイシャツの「白」などは、漂白されている色なんですね~。

こんな風に、今の時代よりも衣装が意味を持っている時代であるからこそ、できるだけその時代に、その役柄にそった衣装をつけて、舞台に立つ必要性がある。

衣装も、ある意味舞台美術の一つでありますよね。

それと同じで小道具なども、手に持つものとしての時代背景や役柄が見えてきます。

そこから想像するものも本当に多いのですが、勉強するには底なしで、調べても調べても、良くわからないことばかりです(^^;)

この辺は、まだまだ私は知らなきゃいけないことが多すぎて、今も借りてきた衣装を並べながら、それに合わせるブラウスや靴のことなど頭を悩ませています。

こういう衣装研究や小道具の歴史などと言う授業こそ、オペラ歌手に必要なものだと思うんだけどな・・・・。

まあ、地道な努力を続けていきましょう!

次は小道具編でもアップしようかしら???

確約なしで乞うご期待(笑)!
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by kuniko_maekawa | 2008-12-04 13:05 | 演出家のつぶやき | Comments(2)