記事の行方

なんでしょうね~(@@)

今日の東京は風がめちゃくちゃ吹いています。

まだ雨は降ってないみたいだけど、昨日せっかくベランダ側に掛けた簾が、びゅんびゅん風に煽られて今にも外れそう・・・・。

まあそうならないことを祈りつつ、今朝はなんだか6時くらに目が覚めて、そのまま起きたので、すでに夕方みたいな感覚の午前中(笑)。

暇になるとPCで遊んじゃって、久しぶりに手根幹症候群の痛みが復活~。

極端から極端は性格ですよね(^^;)

さて、私はエキサイトのブログを使っていますが、最近、「レポート」というところで、アクセス数が簡単に見れるようになりました。

グラフの様になっているのですが、面白いのは、「記事別アクセス」。

これは毎日、どの記事にどれくらいの人がアクセスしているかというものですが、なんとなく、観てくださった方が辿っていく道が見えて興味深い。

例えば、昨日のラインナップは・・・

1位「東総文化会館カルメン」

2位「待つということ」

3位「演出助手というもの」

4位「富士純子礼賛」

5位「言葉の音」

などなど・・・・。

アクセス数は対して多くありませんが、これをもしかしたら一人の人が読んだ可能性もあり、そうなるとかなり面白い。

これ、内容も一緒に載せればもっと面白いでしょうが、ちょっとめんどいので、このブログのどこかにありますすので、内容も読んでみてくださいませ(笑)。

最近書いた公演記事は、しばらくトップに入れ替わり立ち代り来ますが、そこから派生していく記事の内容が中々興味ありますね。

公演記事からレッスン記事に行くのは、お決まりな感じ。

公演記事から個人的な記事に入っていき、どんどん広がっていく時もある。

私の知らない誰かがこのブログを読んでくださって、興味を持って記事を追ってくださる。

その人は、何を思って、何を感じてくれたのかしら?

記事の羅列が、明らかに見てくれた人の必要性に応じていると感じられると、尚更嬉しい(^^)

2005年から始めたブログも、7年目に入りました。

全然更新して無くても、誰かが覗いて記事を読んでくれて、そして何かを感じてくださっているのならば、それも私の仕事かなと思ったりもします。

いつも読んでくださる方々、どうもありがとうございます。

相変わらず不規則な更新ですが、楽しんでいただけたら幸いです~(^0^)

さて、今日は午後から教会の掃除に行って、夜は演奏会へ。

暇な時は、御招待も良くいただくので出来るだけ伺うことにしています。

まだあんまり長い時間、音楽の中に居られない感じですが、まあ、少しずつね・・・。

強風にお気をつけて!

後半日、楽しくお過ごしくださいね~!
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by kuniko_maekawa | 2012-03-31 11:40 | 心のつぶやき | Comments(0)

「待つ」と言うこと

このところは大学もお休み、演出の仕事も無し、3月に崩した体調もそろそろ復活しそうなあんばいで、のんびりと過ごしています。

礼拝や教会事務の仕事なども復帰したので、教会へは一番足を向けている。
いと嬉しきことかな(^^)

オペラの仕事と並行してやっている教会事務のお仕事も、4月からは相方が変わり、新しい流れになってくるので、今までよりも覚えないといけない事が増えて来たかも。更年期&40代のぼけぼけ頭では追いつかない~(@@)

でも、心を緩くして変なおばさんでいられる嬉しさったらない(^0^)
周りの方は御迷惑でしょうが(笑)

そうは言いつつも、4月からは少しずつ先に進まなければいけません。

大学の授業もぼつぼつはありますし、今は止まっている演出仕事も入ってくるかもしれない。

ここは神様にお任せと言いながら、体ももっと元気にしておかないとやばいし、心は尚更元気でいないとね。

さて、昨年度から私の中で大きく変わったことがあります。

それはですね、「待つ」と言うことが出来るようになったことです。

これは色んな場所や人や、物事や、様々において、非常に大事なことだと認識しています。

例えば、演出家として稽古場にいる時も、今までは自分のイメージややりたいことを相手に投げて、即座に帰ってくることを要求していたように感じる。

そうすると、必然的に沢山喋って、尚且つやってみせて、それでも出来なければ方法を変えてと、基本的に押しまくっていたような気がする。

例えば恋愛も、好きになったらその気持ちだけで突っ走っていってたような気がする。

買い物だって「欲しい!」となったら、矢も盾もいられず欲しいという気持ちだけで、借金してでも買ったかも。

これってなんだったんだろうと今は思います。

自分の中に沸いてくる欲求を我慢できなかったこともありますが、大きな違いを感じるのは、謙虚でなかったこと。

つまり、自分が「1」で他がそれ以下だと思ってたんじゃないかなってことです。

文章にすると尚更恐ろしや(^^;)

演出していても、自分のプランが一番で、そのこと自体は決して悪くないにしても、それが出来ない相手を受け入れる事が出来なかった。

すぐに出来ない相手をネガティブにとらえていた。

これが最近は、単に「相性が悪い」と思えるようになってきました。

別に仲が悪いという話ではありません。

相手にも才能があり、考えがあり、こちらの申し出に応えようとする気力があっても、お互いの持っている色が違う。

人間ですから当たり前の現象ですよね。

単に、お互いの相性が悪いだけだと思っています。

これは人づきあいも同じで、以前だったら責めていたことも「分かりあえない」だけだと思うようになりました。

つまり、相手の人間性を責めるのではなく、お互いに理解できるものが少ないと認識できるようになったってこと。

恋愛は最たるものかも(笑)。

どこまで自信過剰だったんだと今では赤面しますが、相手の気持ちは全く考えずに、「好き」と言う気持ちに支配されていて、もしかしたら相手のことも良く見てなかったかもと思います。

こう言ったことが現象として分かり始めたのは、いつの間にか「待つ」ことを覚えたから。

相手に投げた様々なことが、形になるのを待つ。

気持ちがある相手を、本当に好きな相手なのかどうか良く見る。

私のプランを相手が消化するのを待つ。

何より、自分自身がちゃんと理解できているのか、感情過多が収まるのを待つ(笑)。

多くはやはり仕事場で試されることですが、この「待つ」ことが出来るようになった私は、演出家としては、かなり成長している感じがしています。

3月の公演も、私があまりにも何も言わないので、学生にさえ「演出家のくせに、演技もつけないんだと最初は思いました」などと言われていましたが(すごい言い方ですけどね^^;)、一向に構いませんでした。

多くの学校公演や研究生の試演会などで、つい手をかけたくなる理由は「引き出しが無いから」。

公演自体は、学校や団体の外側へ向けてのアピールですから気持ちはわかりますが、本当に「引き出し」は無いのでしょうか?

私は否だと思っています。

だって、その公演までに、アンサンブルの授業や試験や、院生ともなれば他の団体の研究機関に所属していたり、外でキャストとして歌ってり、留学経験のある学生も来ます。

これが「引き出し」で無くて、なんであろう??

それを言うならば、「プロほどの引き出しは無い」と言うべきであって、加えて学校公演にプロはいらないのであるから、結局、「今ある引き出しから使える物を精一杯出す」と言うことを学ばせればいいのじゃないかと思っているのです。

そして、彼らが自分の頭で考えて、理解して、その拙い、幼い引き出しからなんとか経験を引き出してくるのを「待つ」ことが、その世界で先に生きているものの、大きな役割じゃないかと思います。

だから「先生」と呼ばれるのだと、私は理解しています。

4月からまた、学生たちや、若い演奏家たちとの時間が始まると思います。

私の経験が積み上がり始めた今、やっと「待つ」ことの大切さを実感して彼らの前に立つことが出来る。

嬉しいですよね。


今日は良い天気で、少し暖かでした(^^)

事務のお使いで、新大久保を歩いていたらば沢山美味しそうな韓国料理のお店がずら~っと(@@)

噂のコリアンタウンはこれか~!

そろそろ内臓関係も良くなってきた感じがあるし、美味しいもの沢山食べて、元気に春を迎えたいですね~!
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by kuniko_maekawa | 2012-03-27 13:14 | 演出家のつぶやき | Comments(0)

春になりましたね(^^)

昨日、今日は暖かい雨が降ってますね。

先月とたいして気温が変わらないと思っても、なんだか体感温度が違うような感じがする。

一雨ごとに春がやってくるらしい・・・・いつの間に???(@@)

大学に勤め始めてから、1年は年度で感じるようになりました。

4月から4月。

所属している教会でも、役員や様々な行事などが年度で変わって行きますから、新年は1月でも新しいスタートを感じるのは4月。

手帳も4月始まり。

お誕生日月でもあります。
おお!来月私は40代最後の1年を迎えるの巻き!!

いつの間にこんなに年輪を重ねちゃったんだろうな~(^^;)
そのくせ、何も変わってないようにも感じる。

大学院オペラが終わって、それまでの激務もあり、精神的にも体力的にもかなり消耗していた「前川久仁子」と言う人間も、なんとか盛り返してきたかも。

今週のお休みは、かなりゆっくり心地よく迎えています。

単一教科の非常勤である私が大学で授業を担うのは、本格的には9月から。

それまでは一人間として日々を過ごしています。

教会へ週に3日くらい。

それ以外は、すこ~し入って来るレッスンと、後は・・・・何しようかしら(笑)。

暇になる最初の月に毎年やるのは、整理整頓。

掃除だけでなく、何もかもです。

例えば昨日から携帯代を安くすることを考え始め、今からショップへ行こうかなとか・・・。

人間関係も整理が付くのはこういう時期。

自分に取って必要なもの、不必要なもの、新しく入ってくるもの。

そういった入れ替えが行われる時期でもあります。

今年は私はのんびりペース。

昨年の忙しさが異常だったため、今年はあえて発信はしません。

感性が枯れた感じがするのも原因。
開くのが少し辛い。

日々、ぼんやりと好きな人や好きな物や、愛するなっちゃんとの時間を大切にして過ごしたい。

そうしている間に、また感性の泉に水が湧いてくるんじゃないかな・・・。

因みに落ち込んでいるわけではありません。

むしろいい感じ(^^)

「明日のジョー」的「白い灰」よりは、南国の海辺の白い砂のようなイメージ。

いや、白いのには変わりないんですけどね(^^;)

そういえば、今週から玄米を食しています。

これ、最高に良いかも!
お通じバッチリだし、美味しいし。

昔は母が圧力鍋で一生懸命作っていましたが、あんまり美味しくなく、すぐに白米にもどしちゃいましたけど、今は炊飯器も凄いんですね~(@@)
普通にお米を炊く様に、簡単に炊けます。お奨めです!

午後からは雨が上がるっぽい。

携帯ショップに行って料金値下げの御相談(^0^)
こういうちっちゃいチャレンジって楽しい~。

暇になってきたので、少しずつまたブログも書き始めます。

次回は真面目なレッスン記事も書くかな(笑)。

今日も一日頑張りましょうね~!
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by kuniko_maekawa | 2012-03-24 11:49 | 心のつぶやき | Comments(2)

a la carte ! Vol.3「私たちの好きな歌」

と題して、3月19日、公私ともに仲の良い音楽家たちがコンサートを開きました。

このコンサートは、大田区在住のクラシックファンの方が出資して、普段は大きなホールでしか聴けないようなオペラ歌手たちの音楽を身近に感じたいと言う主旨のものだそうで、私はVol1を聴かせて頂いています。

場所は大田区民ホールアプリコの小ホール。

どれくらい入るのでしょうか、200席くらいなのかな?

いわゆるコンサートホールですが、蒲田駅から徒歩3分と言う立地条件と、音響が良くこじんまりとしているのが魅力です。

大田区は西側からは東京の東側と言う感じで、ちょっと遠い感がある場所ですが、このホールは私の周りでも使用率が高いです。

コンサートのみならず、小オペラなども良くされており、なじみのホール。

いわゆるサロン形式で、平場に椅子を並べてステージとなる部分が高くなっていると言う形なので、オペラ公演などではあまり使いやすいホールではないと思いますが、なんでしょうね、雰囲気が良いのかな、入って聴いていると落ち着いて音楽空間を楽しめると言う良いホールだと思います。

今回ご出演は、藤原歌劇団準団員の女声お二人、ソプラノ歌手の宮本彩音さんとメゾソプラノ歌手の諸静子さん。

そのお二人とコラボしたのは、若きコレぺティスト、吉田貴至君です。

吉田君はこのシリーズの要で、Vol4までピアノを担当するのだそうです。

そういえば、女声も彼も大田区在住。

余談ですが、大田区って合唱団や児童合唱なども盛んで、音楽家が育つ街かもと勝手に思っていますが、人材がなんだか揃っているイメージがありますね。

去年の7月にやった公演の時に、吉田君に練習会場を大田区で取っていただいたのですが、古いけどかなり良い感じの稽古場や小スペースがありました。

地域差って色々とあるのだと思った次第。

さて、今回は女声お二人がメインの演目でした。

1部は滝廉太郎の「花」のデュエットから始まり、色んな国の歌曲。
2部はオペラからアリアとデュエット。

気付いたら二時間経っていたという、楽しい音楽会でした(^^)

彩音さんは、実は武蔵野音大の院生の頃からのお付き合い。

まだまだ若いと思っていたらば、しっかり30代の女性に変身。

先のMMC7月公演で上演した「ポッペアの戴冠」で、タイトルロールの「ポッペア」歌ってくださいました。

その時も思ったのですが、年齢とともに声の響きが豊かになっており、その豊かさをきちんと表現に用いて、音楽を作れる余裕も出来ていて、素晴らしい歌唱だったと思います。

今回は日本歌曲やフランス歌曲、オペラアリア等々、彼女の声に非常に合っていた選曲だったことも成長を感じましたが、どの曲も、彼女の声の魅力を堪能できる、素晴らしい出来上がりでした(^0^)。

教え子が成長する喜びは、ずっと後ろをついてきていたと思っていた人が、ちゃんと目の前に向き合って立っていてくれることに尽きますが、彼女の場合、その先に進み始めていることを確信させてくれる大きな大きな喜びまで与えてくれて、心から感謝しています。嬉しかったな~(><)

ここから先は、彼女の年齢とともに訪れてくる、身体の変化や気持ちの変化と上手に向き合って、その素晴らしく美しい声を保って、更に更に先にすすんで行って欲しいと、本当に思います。

また一人の歌い手と、演出家として向き合える日が来ると嬉しいですよね~(^0^)


もう一人の出演者、常々MMC公演でも主役を張っていただいて大活躍の諸静子さんは、相変わらずの豊かな声は健在で、この声を聴くだけでも来たかいがあったと思わせてくださる歌い手さんです。

今回は、吉田君と宮本さんは30代。
諸さんは私と同い年の40代と言うことで、やはりお二人と比べると、まず人生経験値が勝っているのがはっきりわかります(^^)

これね~、ただ単に年を重ねると言うことではなくて、本当に良い人生を歩まれていると、いつも思うんですよね~。

そして、それが音楽に正直に現れている。

例えば、吉田君は30代で、諸さんとコラボレーションをする際に、本人の才能は別として、経験値の時計軸の差が感じられる。

それは、体内時計の速さだったり、言葉に関して感じている内容だったり、単に楽曲の解釈の違いだったりと、色々でしょうが、それぞれが感じている温度差が見えました。

でも、これは決して悪い結果になっているのではなく、二人の信頼関係で構築された、透明感のある距離感に感じました。

この距離感は、今どうしようもなくあるものだから、むしろ正直で好ましい空間だと思います。

これを埋めるには、きっと吉田君がこれから経験していく音楽生活の中で、何に気づいていくかと言うことかなと思いますし、諸さんの方も彼から発信してくる若い時計軸を自分の時計軸と、どう重ね合わせて一つの時間を創るかを、受け止める度量を重ねると言うことだと思います。

お互いに、同世代ではなく、色んな世代の音楽家たちとのコラボレーションが、これから先も待っているでしょうから。

諸さんの音楽には、ご自身もそうなのでしょうが、こう言った距離感をすべて受け止めて、表現に変えていく度量の大きさを感じます。

そして、それはいつも愛情深く豊か。

母なる大地とはこんなものかなと思う。

有名な「母の教え給いし歌」をロシア語で歌唱なさっていましたが、正にこの歌のように、この人の声にはいつも憧れと郷愁を感じます。

本当に、本当に素晴らしい歌い手さんです。

さて、この年代の違う二人を支えて、コンサートを道案内していたのが、吉田貴至君。

まだ30代の前半ですが、そろそろ売れっ子さんになりつつあるのではないでしょうか?

プロフィールにもありましたが、クラシックにとどまらず、色んなジャンルのアーティストとも活動し、経験を積んでいる最中。

私もMMCの公演で二回ほどお世話になっています。

彼のピアノを聴いて、いつも感じるのは、とにかく紡ぎだされる音が綺麗だと言うこと。

今回も、様々な楽曲を一人で弾いていましたが、どの曲も、一音一音、全部聴こえるテクニックを持っています。

更に、ただ聴こえるだけではなくて、ちゃんと言葉を感じるところも特筆すべき部分。

私は彼の音が大好きで、聴ける機会があるときには、出来るだけ伺うようにしていますが、期待を裏切られたことはないです。すごいですよね(^-^)

先にも書きましたが、彼は今30代の前半で、経験を積んでいる最中。

今の彼の等身大の音楽は、まだまだファジーな部分が沢山あるように思います。

これから先、彼がどんな経験を積んで、音に変えていくのかは、まったく未知数。

だからこそ、将来を感じますし、期待します。

彼の持っている音が、何によって、どう変わっていくのか、年齢を重ねるごとに、紡ぎだされている音は、どんなふうに語るんだろうか。
出来ればずっと成長を聴いていたい音楽家です。

今回、彼はソロの曲を一曲弾きましたが、これがものすごく良かったです!

音の綺麗さもさることながら、彼が自分で編曲したこともあるのでしょうが、音楽空間が見事!

オーラを感じたくらいでした。

きっとこの人の中には、沢山の宝石が磨かれるのをまっているのでしょうね。

多分、それを信じて、あるいは知っていて、研鑽を積むことに貪欲なところも関心します。

その内また一緒に音楽を作れる機会を祈るばかりです(^^)


自分の公演に出演してもらって、一緒に舞台を作っているときは、彼らは家族のようなものなので、こうやって客観的に音楽家としては付き合いません。

でも、観客として彼らと客席で向き合っていると、この才能ある人たちが自分と舞台を創ってくれるのだと、改めて感謝したりします(笑)。

神様から与えられた彼らの賜物がどんどん磨かれて、彼ら以外の人たちを楽しませたり、癒ししたり、感動させたりするんですよね。

本当に楽しみです。

彼らといつ音楽を創れるんだろうな~・・・・。

私の心の泉がちょっと潤ったような、そんな一時でありました(^^=)
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by kuniko_maekawa | 2012-03-21 11:42 | 観劇日誌 | Comments(0)

洗足音楽大学大学院オペラ公演「愛の妙薬」

おおっと!
一月もブログを放置してました(@@)

腕の調子が悪い時を除いては、ちょっと久しぶりの長期放置だったかも(笑)。


3月8,9日と勤めている洗足音楽大学の院オペが終了しました。

演目はメジャー中のメジャー、ドニゼッティ作曲オペラ「愛の妙薬」

農夫のネモリーノが、農園主(農園主の娘とか色々と解釈がある)であるアディーナに惚れているのですが、内気で中々告白できない。

しかしある日、アディーナが農夫たちのお昼休みに朗読していた、イゾルデとトリスタンの愛の妙薬の話を聞いて、たまたまその日に村を訪れた、詐欺師のドゥルカマーラにその薬を求めて手に入れます。
本当はワインであるその液体を妙薬とすっかり信じきったネモリーノは、薬を飲んで酔っ払ってしまいます。
その勢いで、アディーナに恋の鞘当を始めますが・・・。

本当に日本でどれだけ上演されるかわからないくらいの人気演目ですが、ドニゼッティ自身がすごく売れっ子の時期で、二週間で仕上げたとか色々と逸話もある作品。

しかし、正にこれベルカント!と言うべき美しい楽曲と楽しい内容で、名作とはこういうものを言うんだろうなと納得。楽しく作品を作りました。

出演したキャストは大学院生で、オーディションで選ばれました。
合唱団は男子は1年生から、女子は3年生からそれぞれ大学院の2年までの総勢46人ほど。

試験期間を挟み、ほとんど時間の無い中で、彼らは本当に良く頑張り、先の記事にも書いたとおり、ただただ彼らが作品の中に生きると言う事を、一生懸命やってくれました。

結果、公演は大成功です!

特に合唱団の声の良さにびっくり!

加えて、まだオペラ実習も取っていない、1,2年生も含めて、彼らなりのヴィジョンをきちんと捉えてくれて、内容を創ってくれました。

そういう意味では、洗足音楽大学の声楽科は良い声を持っている学生が多いと認識。

先生方の指導も良いのでしょうが、元々校風として大らかでもあり、気持ちを開くということに関して自然体かもしれません。
楽しいと乗ってくる(笑)。

いずれにしても、彼らが自分たちでお客様に何を提供するかを一生懸命考え、そして表現してくれた公演でした。
感謝、感謝!

指揮はアレッサンドロ・ベニーニというイタリア人で、毎回大学院のガラコンサートを振ってくれています。

一本を一緒にやったのは初めてですが、いつものように自分の仕事を黙々と、そしてきちんとやっていました。

しかしながら、彼のドニゼッティは何故かロッシーニよりも早い!

良く学生たちが付いていったと思うくらいに、テンポが速くびっくり!(@@)

こうなると、やっぱりそれぞれ人間が関わり、パーソナリティによって音楽空間が変わってくるとまざまざと感じましたね。

舞台は工藤明夫君という舞台美術家が創ってくれました。
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公演をした前田ホールという学内にあるホールは、元々コンサートホールで、ごらんの様にパイプオルガンが鎮座ましましています。

ミュージカル科等ある大学なので、そういう公演ではホリゾントを降ろして、オルガンを隠して使ったりもします。

しかし、オルガンがあることで奥行きがほとんど無く、おまけに高さだけはあると言うこのホールを、少々ホリゾントで隠しても、結局平べったい空間になると思い、いっそオルガンの部分も含めて客席まで舞台セットと考えて創ったらどうかと工藤君と御相談。

結果、イントレを使って、高さを出し、客席からも出演者が登場するという形を取りました。
大成功だったと思います。

工藤君はこういう無機質なものを空間に添えるのが非常に上手だと認識しています。

実は以前、彼がやはりイントレ(鉄骨の屋台です)を使って舞台セットを組んだものに、アシスタントで参加したのですが、この時も、組み方の導線が面白かった。それで今回もお願いしてみました。

これに加えてドゥルカマーラの薬を売るための垂れ幕のデザインなど秀逸。
剛と柔を組み合わせるとかなり面白いデザイナーなのではないでしょうか。

これに明かりを加えてくれたのは、ASGの大平智己君。
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この人は最近御一緒するようになった照明家ですが、とにかく毎回思うのは、非常に「頭が良い」ということ。

いつものガラコンでもそうですが、与えられた時間内で「いつの間にここまで?!」という明かりを必ず創ってくれます。
しかもそれは、私の思っているような明かりとは全然違うものであることが多々。

実はこの人の明かり自体は、私の感性と必ずしも合致するかどうかはわかりません。

お稽古を見ていただいて、お話ししていても「それわかります」と言う様な話にはならない。

なので、大抵、思っていることと、必要なことを話させていただいて、後は彼にすべてお任せです。

そして実際に出た明かりを観て、「こんなのいつの間に創ってたの???」と驚かされる(笑)。

しかも、それがいつも「うわ~、頭良い~!」と何故か唸ってしまうんですね。
なんと言うか、理由がわかるというか・・・・。

今回も、1幕のフィナーレで、いきなり自分を無視し始めたネモリーノに業を煮やしたアディーナが、自分に求婚している軍曹のベルコーレの求愛を受けて、薬の効目が現れると言われていた翌日の朝に結婚すると約束してしまうという場面の明かりで、脱帽事件(笑)。

何が起こったかというと、その場面でネモリーノがアディーナに「俺を信じて、結婚を一日待ってくれ」と歌う有名な曲があるのですが、その曲は短調で始まって、いきないネモリーノが「アディーナ信じてくれ」とお願いすることから、日本人が歌うと、どうも泣きが入る。

私はそれが常々嫌いで、今回もそのことを学生たちに懇々と諭し、絶対に泣くな!と厳命してました。

なぜかというと、途中「俺にはわかっているんだ」という歌詞があり、そこから音楽が綺麗な長調に変わって言って、ネモリーノが愛を訴えるという幸せを感じるからです。

この時、幸せが待っているのだということをベースに、この歌を歌わないと意味が無い。
ネモリーノが始めて、自分の気持ちを自分の言葉で訴えるという成長の時でもあります。

それは、空間も同じでした。

そのことを大平君にお話して、GPで明かりを観ているときに、その場面の音楽が始まった時、先の写真の三番目にあるように、オルガン部分がいきなり三色に変わったんですね。

いきなりだったんで違和感を覚えて「?」と思っていたら、音楽が長調に変わった途端に、すべてが成立しちゃったんです!

つまり、彼の明かりは最初から、どっしりとした幸せを創っており、音楽が変わった瞬間に、まるで「これがすべての答えだ」といわんばかりの正当性で空間を決めてしまったというわけです。

これが、音楽の変化とともに、ものすごく気持ちを納得させてくれたので、大感動でした!
こんな明かり、観たこと無い!

しかも、この事によって新しい事実にも気付いた。

それは、明かりが全てを幸せにしてくれたのに、奏でられているオーケストラの音楽の変化が場面を動かさなかったために、空間が同じように変化しなかったこと。

しかし、オケが下手だったとか、演奏がまずかったということではありません。

今回オケは学生に+先生方のトラが入った学内オケでした。

彼らは物凄く頑張って、素晴らしいレベルでありましたが、内容をどこまでわかって弾いていたかというと、そこは恐らく+-だと思います。

何故かというと、ここには経験が必要だからです。

東フィルなどの様に、何回も色んな指揮者とオペラをやっているのならば、こういう内容の変化は感情と一緒に変化して行きます。

彼らに場面の内容を伝えることがあったかどうかはわかりませんが、それを自分の音として解釈するのには経験が要ります。

なので、この時のオケの音は、短調の部分から暗く重く始まって、非常に演歌的な長調の変化に聴こえたのですね。

そうすると、残念ながら照明とのバランスが崩れてしまい、音楽空間としては難しい所でした。

ひょっとしたら、この明かりに違和感を覚えた人は居たかもしれません。

本当に音楽空間というのは繊細で微妙なものです。
そのことに気付けた今回の経験は、大きな収穫でした。

しかし、こういう明かりを創れることは大平君の才能の賜物です。
いや、凄い人ですよ(^^)

こんな人たちに支えられて、なんとか演出家としての仕事をこなすことが出来ました。

1月の「カルメン」に続き、私はやっとオペラ演出家としての立ち方を理解したかもしれないと思っています。

「しれない」と言うのは、次の現場がないと、それが本当かどうかが自分でもわからないからですが、恐らく、ここから先は、揺らがない核が出来たと思っています。

この大学は講師陣の結託も強く、衣装やメイク等々、裏方のことまでも講師の先生方の御尽力に多く支えられました。

本当は客席で聴いていただくのが正しいのですが、本当に感謝しています。

さて、やっと2011年が終わった感があります。

ここまでの激務に晒されて、ちょっと身体が壊れちゃいました(^^;)

今は少しずつ心と身体を癒している最中。

ここからまた9月までは、ただの人となります(笑)。

すっかり枯れてしまった音楽の泉がまた心に沸き起こってくれるのをひたすら待つばかり。

関係者の方々、そして学生たち、本当にお疲れ様。
そして、ありがとうございました!
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by kuniko_maekawa | 2012-03-17 15:46 | 観劇日誌 | Comments(1)