人気ブログランキング |
ブログトップ

言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

音演出と言うこと

「オルフェオとエウリディーチェ」のチケット発売ということで、各方面にチラシをお渡ししています。

そこで必ず聞かれるのが「音演出」って何?ってこと。

そのためにチラシにも一筆入れさせていただいていますが、ここでもちゃんと御説明しようかと思います。

オペラを上演する際に、一番重要なものは楽譜。

芝居の台本と同じと考えていただければお分かりかと思いますが、芝居の台本と違うのは、戯曲作家だけの世界観ではなく、そこに作曲家と言う音楽空間を司る人物がいることです。

つまり、楽譜を書いた作曲家と言う人物が人間であり、音符一つ、休符一つにもその作曲家の思考がある。

ト書き一つをとっても、そこにト書きが遂行される音楽が用意されていて、歌い手がそれをすっ飛ばして何かを出来ないようになっている。

むしろ、してはいけないようになっています。

単純に考えると、それは「制約」として私たちを縛っていると思われがちですが、そうではないのがオペラの面白さです。

つまり、その作曲家の指定した音楽をそれぞれの人たちが解釈して表現した時、オリジナリティが生まれる。

歌舞伎や古典バレエと同じです。

元々ある形を、演じ手の感性で解釈し表現する。
そうすると、そこにはその演じ手にしか表現できないものが生まれ、「~の勧進帳は素晴らしい」とか「~の白鳥は素晴らしい」と言って、リピーターが出来る。

オペラは伝承芸能です。

何百年も前に作られた作品を、ずっとずっと演じ続ける。

絶対に変わらない楽譜がそこにある。

それこそが、オペラの醍醐味です。

私が「音」にこだわるのは、これが理由です。

作曲家の残した楽譜を立体化したい。

そこにある「音」を全部観せたい。

それには、耳の刺激が絶対に必要です。

そして、耳に刺激を与えるための方法として、伝える方の歌い手たちの内面を刺激するのが一番良い。

そのために、言葉の「音」を作り、それを歌う(あるいは喋る)歌い手たち自身を刺激していく。

そうして生まれる感情から、自然に身体が動くのが正しいと思っており、まさに私の「正義」です。

「音演出」とは、楽譜に書いてあるすべての音を表現として伝え、観せること。

単純なことですが、一番難しいこの事が私の仕事と思っているのです。

さて、それを形にしていくのに、どの作品を選べばよいのか。

このシリーズではこの先もずっと、古典以前を扱おうと思っています。

特にバロック作品を中心に作ろうと思っていますが、これにも訳があります。

小節線を無くしたいからです。

演者と戯曲作家、作曲家たちのみで「音」が表現されていた時代。

芸術が力を持ち始め、這い上がろうとしていた時代だからこそ、人間の言葉に近い感じがする。

まずは、「オルフェオ」をご覧ください。

私たちの作る音。

その音で創る空間。

呟くように歌う詩劇を創りたいと思っています。

沢山の方の御来場をお待ちしています。(^^)
by kuniko_maekawa | 2009-09-12 13:16 | MMC | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30