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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

立ち稽古が始まりました!

11月に入った今日。「オルフェオ」の立ち稽古に入りました。

何度も書いているように、今回は「詩劇」を創ることがコンセプトです。

本来ならば、立ち稽古と言うのは、舞台設定を説明し、ある程度の動きや形を決めながら稽古して行きます。

が、「詩劇」といわせたいわけですから、動きをつけることがメインではありません。

もちろん、セットが存在している限りは、方向くらいは説明しますが、後は、歌い手さんたちと私の感性を少しずつすり合わせていく作業を、根気良く続けて行きます。

今日は三幕。

オルフェオがエウリディーチェと再会し、彼女を地上に連れて行くために、アモーレとの契約「顔を見ない」と言う試練にどう耐えていくかと言うところ。

27,28日両組のオルフェオとエウリディーチェが揃いました。

立ち稽古の初日に、最終幕から行くのは変則なのですが、三幕までの間、ほとんどがオルフェオのモノローグで進めていくので、取り合えず相手が必要な場所から作ることにしました。

ここでちょっと今回の舞台セットの説明を・・・。

「オルフェオとエウリディーチェ」の物語は、皆さん御存知のように、ヘビにかまれて死んだエウリディーチェを竪琴引きのオルフェをが嘆いていると、愛の神がやってきて、エウリディーチェを取り戻すと約束してくれる。
その代わり、地上にたどり着くまで彼女を見てはならないという掟を課します。

オルフェオは意を決して地獄に行くわけですが、そこで竪琴を奏でて地獄に住むものたちの心をほぐし、尚且つ天国まで行って、そこでもエウリディーチェを探しきらずに、ようやっとであったところで試練に苦しむというわけです。

楽曲の編成も大きく、本当ならば、合唱、バレエ、オーケストラと大所帯で、地獄あり、天国ありと大変な歌劇です。

それを今回は、ばっさりと切ってしまって、オルフェオが歌うところとアモーレ、エウリディーチェとのデュエットのみ残して1時間半弱で構成しました。

何よりやりたかったのは、オルフェオという男の愚かさ。

自分がエウリディーチェの死を受け入れる苦しさから逃れたいがために、アモーレに煽られ日常を飛び出してしまう。

つまり、彼が本当に欲しかったのは、自分の心の平安で、そのためにエウリディーチェを黄泉の世界の穏やかな眠りから揺り起こしてしまった。

そう創ろうと思っています。

なので、今回は地獄も天国も、彼が「日常」と呼んでいたリビングをメインに行おうと思います。

オルフェオもエウリディーチェも現代服で、普段着に近い。

アモーレでさえ、愛の神であって、でも、それは日常に忍び込んできた「闖入者」であると思っているので、天使のわっかも羽もありません。

その中で、言葉は楽譜の情景を語っていく。

抽象的でわかりづらいかもしれませんが、それが一番イメージに近いんですね。

参加してくださる歌い手さんたちには、このことをじっくりと話させていただき、そして理解していただいています。

日常のリビングの外側は、ただ一本の道があるのみ。

そこが黄泉の国への道です。

オルフェオをエウリディーチェは、幅1mたらずの道を「誠実」と言う、恐ろしく利己的な感情で身動きできなくなります。

今日の稽古でも、実際にその幅の中でデュエットをやりました。

なので、動くことはほとんどありません。

お互いに見るということも出来ない。

オルフェオの目の先には、喉から手が出るほど欲しい「日常」と言うリビングが待ってる。

しかし、エウリディーチェが欲しいのはたった一つの接吻のみ。

オルフェオの折河君も、諸さんも、この苦渋の選択をほとんど動かずに語ろうと努力してくれています。

受けてのエウリディーチェは逆に彼をどんどんと煽っていき、この苦しみが理解できないことに苛々してくる。

柴山さん、松田さんの核の強さが助けになります。

今書いたことは、ほんのさわりです。

彼らとの稽古は、こうやって内面と言葉を合わせながら、自然に動き始める身体を創っています。

これこそが、今回の大きなコンセプトです。

本番まで後20日あまり。

きっと、皆さんが目にするその時が出来上がりです。

私たちの「オルフェオとエウリディーチェ」はこうやって始まっています。(^^)
by kuniko_maekawa | 2009-11-01 20:11 | MMC | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
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