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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

忙しい歌い手

演出助手の仕事で一番重要なのはスケジュール調整だと言う話を以前記事にも書きましたが、今日も稽古場で稽古日程表を手に持ち、歌い手さんの間をうろうろしてました。今回は、割とキャストの中で年齢差にバランスがとれていて、20代30代40代とちゃんと揃っています。そうなると忙しさや、稽古の日程の出し方も中々見ていて興味深い感じがします。まあ、でもこれは男性に限っての事で、女性はわりと他の入っている仕事も教える仕事だったり、学校関係だったりしますので、曜日や時間がはっきりしており、忙しいといっても、隙間があったりしますが、男性の場合、「忙しい」は稽古が重なっている「忙しい」と「学校で教えているから」忙しいと、結構はっきりと分かれます。演助にとっては、どちらにしても忙しいのに変わりは無いし、スケジュールをもらわないといけないので、敢えて言えば、稽古が重なっていた時の方が、様子が見えるので話がしやすい程度です。しかし、当の歌い手さんにとっては、こう言った忙しさは、メンタルな部分も含めて、自分を良い状態においておくことは出来なくなります。特に、稽古が重なっている時は。
今日も一人の歌い手さんがしんどそうな顔をして稽古場に入ってきてました。私も良く知っている若い歌い手さんですが、ちゃんと勉強するこことと、稽古場や団体への人当たりも良い人なので、どこでも可愛がられて、話が回ってくると言うタイプ。自分でも、声をかけられたら嬉しいし、元々、なんでもやってみたいと言う欲求が強いので、ぎりぎりまで引き受けてしまって、結局、自分の首をしめているという・・・・。私が彼を知ってから3年は経ちますが、毎年同じように青い顔をして稽古場に入ってくる時があります。それを見るたびに本末転倒だな~と思いながら、「身体に気をつけてね」と言いつつ、稽古に来るよう促していますが(笑)。しかし、今は若いからまだ身体がついてきますが、これが30代に入ってくると、そうはいきません。しかも、歌い手の身体は35越えたくらいからが、ようやっといい感じ。これを過信して突っ走っていると、結局ちゃんと身体と声を作らないまま、早めに枯れてしまうという危険もあります。
でもね、こう言う風に仕事が回ってくると言うのも、流れですから中々断ったり出来ないのもわかります。ですから、私がこう言った歌い手さんに言う事は「風通しを良くしておくこと」と言うことだけです。引き受けてしまったら、絶対に良い結果を出さなければ、次は来ないわけですから、おいそれと稽古も休むわけにもいかないでしょう。でも、自分の許容量を良く知って、その上で、どこかに風穴を開けておくべきです。理由は何でも良いです。「風邪を引いて熱が出た」「胃が痛い」「親戚に不幸があって田舎に帰る」。もちろん、これである稽古場は休んで、違う稽古場に行くなんて、それこそ本末転倒。これは休むための手です。その代わり、元気になったら、休みをくれた団体に、誠心誠意尽くすべきですね。これは仕事を重ねることをやるなら、絶対にやらねばならない鉄則みたいなものです。なぜかというと、仕事を重ねることは「優先順位」をつけること。その「優先順位」を下にした方から、悪い噂は出てきます。「あの人は、うちの団体より、どこそこの団体を取った」って。これが案外怖いですよ~。人の口にふたは出来ませんからね。
とはいえ、こう言う努力をしても、結局は己の力量一つの問題なのですから、やはり、端から無理な仕事の入れ方をしないことです。歌い手は身体が資本。頑張ったところで、声が無くなっては意味がありません。そこを勘違いしないことです。
by kuniko_maekawa | 2005-09-01 01:07 | 歌手 | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
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