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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

華を持つ

最近はオペラのお仕事がきれているので、ネタが無く、更新が遅れています。
それでも根気良く覗いてくださる方々、ありがとうございます。

仕事が無いので家にこもっているのですが、TVだけは良く観ており、中々面白い現象を沢山感じています。

昔はあまり見なかったドラマも、最近は脚本に興味があってみるようになりました。

そうすると、必然的に俳優さんの名前と顔を知ることになります。

特に男優さん。

女優さんも沢山若い人が頑張っていますが、今は「イケメン流行」ですよね。

よく、「華がある人」という言い方をします。

舞台でも日常でも言われることで、その人に目を引く要素があるということ。

その「華」はどうやって作られていくのか。

こればっかりは、「元々その人が持っているものだから」というのが良くある答え。

確かに。

これこそ、天性というものですよね。

後は、経験。

特に俳優さんやモデルさんは、観られてなんぼ、ですから、経験を積めば積むほど、つまり、人に観られる回数が増えれば増えるほど、その人の輝きは増してきます。

しかし、本当に大切なのは、「観られる」と言う事の意味をどう理解するか、じゃないかな。

同じように今、人気が上がってきている男優さんで、すぐに主役級になる人たちは、やはりどこか自分に核を持っているような気がする。

もちろん、脇に居る人たちも「核」は持っているでしょうが、何というか「覚悟」がない感じがするんですよね。

つまり、自分が売れていくということがどういう意味を持っているかということ。

私が思うに、「売れる」ということは、きっと自分で無くなることなんじゃないでしょうか。

否が応でも、別の自分にならざるを得ない。
商品としての価値を、自分もみざるを得ない。

そして、それを周りがどれだけ期待しているかも、もちろん如実に感じるでしょう。

それってしんどいですよね、多分。

しかし、そうやって磨いていくからこそ、原石はダイアモンドになる。
そこに努力があると思います。

ところが、準主役で売れている人たちというのは、別の自分にならないですよね。

「役者をやろうとしている」人になっちゃう。

商品としての自分を客観視してない感じなんです。

女性もそう。

ちょっと綺麗な女の子が、スタイリストさんや、美容師さんにセンス良く飾ってもらって、身近な存在としてキャーキャー言われてる。

そういう女の子、男の子たちには生活観があります。

スター性がない。

これだと、誰でもなれる気がして、今や素人文化が花盛りってことなんでしょうね。

舞台の世界は、もう少し現実離れしています。

やはり、ステージが生ものであるだけに、そこには非現実的な人たちが居て欲しい。

遠めに観るしかない舞台では、容姿の綺麗さもTVほど必要とされませんから(綺麗に越したこと無いですよ)、ダイレクトにその人自身の実力が物を言います。

しかし、同じレベルの俳優さんで、優越をつけるとしたらば、やはり自分の存在をどれだけ無くすかにかかっているような気がします。

役になりきるとか、そういうことじゃなくて、「価値観」として。

歌い手も同じですね。

歌い手は、「声」という、もっとも身近で、もっとも非現実的なもので評価が下される。

容姿は完全に二の次です。

声さえ良ければ、デブでもブスでも問題ない。

目をつぶっても、好きな音楽に酔いしれることで、観客は満足が出来るのです。

ってことは、オペラの場合、ひょっとして人間よりも、声にこそ「華」が必要なのかもしれません。

そのためには、良い声を持っているだけではもちろん駄目で、商品価値を揚げるために、どうこの声を道具として磨いていくかにかかっている。

言葉の感性、音楽観、表現の素晴らしさ。

「自分のための声」を磨いているだけでは、準主役で終わりますよね。

どうやって「華を持たせて」行くのか。

私たち演出家も同じことですね。

カリスマという言葉は、人気が出るとすぐに使われてしまいますが、別に、その人は神様じゃない。

そう持ち上げていくのは、周りの人間たちです。

マスコミや、実際に関わった人たちが褒めるだけ。

それは口コミで伝わって行き、名前が売れて有名になっていく。

しかし、流行が終われば消えていってしまいます。

ずっと華を持ちつづけるにはどうすればいいのか。
そこにこそ、努力が必要ですね。
by kuniko_maekawa | 2008-08-26 12:38 | トレーナーのつぶやき | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
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