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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2005年 09月 02日 ( 1 )

オペラ・レッスン ミュージカル編

オペラのレッスンなのにミュージカルとはこれいかに・・・。まあ、トレーナーの仕事に関しては特にオペラに限ってはいません。やることはたいして変わらないと思っています。ですから依頼があれば、ミュージカル畑の方でも芝居の方でもお引き受けしています。昨日レッスンにいらした方もどちらかと言うと、ミュージカルの方を目指していらっしゃる方です。大阪出身のその方は、さいしょ関西方面でミュージカルに出演し始めて、本格的にやるために東京へ。そこでわりと有名な劇団に入りましたが、業界の切磋琢磨についていけずに、精神的に弱ってしまい、現在は目指すもの無く東京にいると言う感じ。私のところにいらしたのは、たまたまレチターレに出演していた教え子の友人で、彼女から私の話を聞いて興味をもたれたらしく、公演が終わってから門戸を叩いてくださって、レッスンをやり始めたと言うわけです。
最初、お話を聞いたときに彼女は「とにかく、また歌いたいと思った」と、目を輝かせて私の目の前に座ってました。そのお顔と、話の内容を聞きながら私は心の中では唸ることしきり。なぜかというと、私のところは「歌わせる」ことが主ではありませんし、将来に目指すものがあると言うことが前提でもあります。「絶対にミュージカル女優になる」と言う、志が彼女の中にあれば、話は簡単ですが・・・。うちではオペラを楽譜から勉強して行くところで、いきなり歌わないこと。それからヴィジョンが大切ということ。私に演劇経験は無く、メソッドを持っているわけではないこと。そう言ったことも話をして、その上で「どうしますか?」と言う、投げかけを彼女にしてみました。彼女は考えながら、一応音大も出ているし、オペラもやってみたいと答えを出して、今は「フィガロの結婚」のスザンナを勉強し始めることと、芝居の台本を読むことをやっています。
さて、そうは言っても、何もなく私ところでただいたずらに時間を過させるのも悪いので、私はまず彼女の欲求を見極めようと思い、朗読をすることに重きをおいています。今年の11月にも朗読会で読みますがシェークスピアの「リア王」をレッスンの時に私と読みます。しかし、他の歌い手の卵さんたちのときと違い、彼女の場合は少しずつ内容を詰めながら、私がお客として感じることを話しています。さすがにミュージカル女優を目指していただけあって、台詞と言うものには敏感であり、読むと言うことに欲求があります。しかし、読みながら気付いたのは、とてもうまく読んでいるのですが、彼女の中のサイズが決まっていると言うこと。オペラでもミュージカルでも舞台に乗る以上、枠と言うものは無い方がベストです。作品やお客によって、如何ようにも自分の身体が大きくなること。読みながら台詞の中で自分自身を演出して行くこと。役者としての個人技を磨くことが彼女に必要には最も必要なことです。
課題が見つかったので、しばらく彼女とトレーナー作業を続けるてみることにしました。オペラの楽譜を見ていても、どこか世界が違うような感覚を彼女自身も持っていますし、台本を読みながら、もっと彼女の中の眠っている欲求を呼び起こしていけば、案外女優魂も戻ってきて、又頑張ろうと思えるかもしれない。是非、そうなって欲しいものですが・・・。
by kuniko_maekawa | 2005-09-02 11:52 | オペラ・レッスン | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。