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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2005年 09月 23日 ( 1 )

行き着く先

昨日我が家に遊びに来てくれた歌い手君と話をしている時に、今の自分の道をどこまで追いかければいいものなのか、という議論になりました。
提示したのは私。年齢のことを言っても仕方ありませんが、いまやっとキャリアが付いてきて、トレーナーと言う道を選び始めた私にとって、残された時間と言うのは、常に頭の上に乗っかっているやっかいなものです。今私は42歳。ある計画を5年越しで叶えたいと思っています。それをかなえたあかつきには47歳。しかも、それは第一段階で、その先を形にして行くのに、5年。さらに5年。なんて考えて行った日にゃ、現世では最後まで到達できないかもしれません。いったいいつまで自分の欲求に従っていけばいいのか・・・、あるいは従うことが出来るのか。大きな問題ですし、恐怖でもあります。よっぽどの障害がない限り、追い続けるであろうという事が、わかっているからです。
その話を彼にしていたら、彼は面白いことを言いました。「自分に課していることは結果を想像しないこと。結果を見たら、怖くなる。」。はてさて、どういうこっちゃ?彼は歌い手ですから、日々自分自身のみと戦い、上手くなるための努力をしています。当然、理想も夢もあるわけでしょうが、結果と言うものは、今の自分に繋がっていきますよね。最終的に自分は世界の劇場で歌っている人間になるだろうかとか、想像すると、「それは無理だろう」と、どこかで正直な声がするらしい。そうすると、その道をあるいても無駄じゃないかと、心が認識するのが怖いのだと、私は解釈してます。ですから、彼は結果を想像せずに日々勉強しているのだそうです。さもありなん。彼はすでに大きな舞台でデビューしていますし、年間忙しく歌い手として仕事をしています。同じ年代の同じ声種の歌い手の中では群を抜いているのは現状です。その自分に期待をすることもあるでしょう。今抱えている自分のマイナス面もクリアにしている努力はものすごくしています。だからこそ、先の言葉になるのだと思いますが、近いものを感じて唸ってしまいました。
それにしても、この悩み自体も世界観が違うと感心することしかり。器が広いのです。もっと、若い子や実力の無い子は、端からこのレベルの怖さはありませんから、問題が解決しない現実感は無い様に思います。努力を続けていれば、発声もよくなるかもしれないし、勉強も続けていけば、内面が磨かれてくる。それをやって、先の彼と初めて同等に並ぶ。それが「夢」と言うくらいの頑張りようで、自分を鼓舞できる。もしかしたら越えられるかもしれないハードルですもんね。
しかし、彼のレベルはそこから先の話です。日本ではある程度のレベルに到達できるかもしれない。しかし、世界では?歌い手としての自分の価値は?ですから自分よりはるかにレベルの高い人をライバルだといい、自分の中に危機感を感じています。ダイアモンドを掲げていながら、常に怪盗ルパンに怯えている感じ(笑)。しかもそのダイアの価値は計り知れませんし、自分でもその価値がわかっていて、隠す気もない。挑戦状は常に叩きつけているわけです。
私はいつも、具体的にならない自分の望みに答えを望んでいます。死ぬまで結果はわからないと知っていますが、期待をもたずにいられない。それなのに、どこかで自分の幅を小さくすることで、「ここまでなら大丈夫」と言う線を引いてしまいます。なんとか足跡を残したいからです。所詮は井の中の蛙。偉そうに未知の仕事を宣言したのなら、行けるところまで前だけ見て行って見る勇気をもたないといけないのでしょう。
この歌い手君は、私をいつもこう言う気持ちにさせてくれる貴重な戦友です。決して親友ではないのですが、ことあるごとにこうやって話をして、気持ちを高めていくことができる人です。来月から1年イタリア留学に出かけてきますが、なお更大きくなって戻ってくることでしょう。心を許して言葉を飾らずに何時間でも話し続けられる時間は1年お預けですが、楽しみに待っていることにします。それにしても、そろそろ私も井を抜け出して、外の世界を見るときが来てるのかもしれません。不惑の年なんて嘘っぱちの40代ですが、惑うより道を行け、時間がない!と言うことなのかも。心して頑張ります!
by kuniko_maekawa | 2005-09-23 11:57 | トレーナーのつぶやき | Comments(0)

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