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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2005年 11月 09日 ( 1 )

お客様と一緒

常々、舞台人であれば、お客様を意識するべきだということを言いつづけています。このブログでも、再三にわたって、そのことを言っていますが、じゃあ、どうすればお客様と仲良くできるのか。
正直、方法は私にもわかりません。一言で言えば、「経験」なのかなあ・・・。
一昨日より、朗読会の稽古に中村靖さんという、藤原歌劇団団員のバリトンの方が参加してくださっています。これには色々経緯がありまして・・・・。もともと、ご本人と私は藤原の本公演でご一緒させていただく機会が多く、それと研究生期間でも、毎年のように顔を合わさせていただいてますから、10年来のお知り合いです。昨年トレーナーを始めたときに、第一回目の朗読会を彼の生徒さんが観に来てくださったらしく、その話しを聞いて、中村さんの方から「参加したい」とおっしゃられて、今回の運びとなりました。話しをいただいた私のほうがびっくりでしたが、きちんと参加費を払ってくださり、真摯に稽古をしていただいています。
さて、元々こういったことがお好きですから、当然、台本をご自分でも読み下して、彼なりの「リア」像が出来上がった状態で、稽古場に来てくださっていますが、他の若い子達と徹底的に違うのが、彼の言葉が発する先に客席が感じられることです。うーん、さすが。台詞の構築や、人物像などはこの稽古の最中に、私と創っていきますから、これは他の子達と変わらない作業です。しかし、若い子達はそこから、空間を広げるのに苦労します。この前の記事にも書いたとおり、「読む」ということにとらわれて、自分の中から台詞が外に出て行かない。何回か、立ったり、相手と向き合ったり、そんなことをしながら、やっと「生きた台詞」になってくる。中村さんの場合、最初からお客が対象です。これは、やはり「経験」なのだと思いますね。舞台をこなしている回数が多ければ多いほど、常に、自分の周りに、自分を見ている、あるいは自分に期待したり、失望したりする他人の目を感じているでしょうから、自然に自分を投げ出して、客の感想に任せる、ということが身についているのです。冗談からコマみたいな(?)彼の参加でしたが、本当に良かったと思って、神様に感謝。一緒に読みながら、若い子達がどんどん良い影響を受けていきます。嬉しいですね。
それにしても、今年の朗読会は本当に突貫工事です。短い稽古期間に加え、今ごろになって、風邪引きや、体調不良で稽古を休む子も出てきて、なかなか思うようにいきません。入場は無料でも、客の前に出すのですから、なんとか2時間を満足して帰ってもらいたいです。私もそろそろ頭が「やすみたい~」と叫んでいますが、無視。とにかく、与えられた時間を楽しんで、頑張ります。
by kuniko_maekawa | 2005-11-09 13:50 | 稽古場 | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。