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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2008年 01月 13日 ( 1 )

育ててもらうこと

11日から鹿児島入りして、ずっと稽古をしています。
15日に戻りますが、演出家としての仕事として最たるものの、スタッフワークもちゃんとスケジュールに入っています。

今回は、舞監さんと舞台美術家以外は、鹿児島のスタッフをお願いすることになっていますから、距離を埋める仕事も必要。
久しぶりの演出家としての仕事はかなり考えることを要求されています。

こういった作業は、今まであまりやったことがありませんでした。

と言うのも、私自身が演出家として仕事をするのを、どこかでまだ受け入れてなかったために、中々仕事が回ってこなかったからです。

あったとしても、ある程度自分だけの裁量でやれるくらいの仕事。
つまり、小さい枠で予算もほとんど無いようなものですから、スタッフを頼めるような余裕はありませんでした。

しかし、このところはずっとスタッフを入れての仕事をやっています。
その中で、否応無しに、成長することを求められており、結構私自身は一杯一杯になりながらも、絶対的に山の上に居なければいけない立場を加味しめながら、育てられるありがたさを感じています。

私は、実はこの「育ててもらう」と言うことが、どうにも嫌でした。

なんというか、自分よりも仕事の出来る人たちと仕事をするのが、面映いこともありましたが、なんとなく、自分が壊されそうで嫌だったんです。

それで、自分の裁量でなんとか出来る仕事しか選んでなかった感があります。
あるいは、わざわざそういう環境を求めなかった。それで自分の仕事や思考を守っていました。

しかし、演出家としての仕事をやろうと決心してからは、敢えてそういう現場を選んでいるような感じがします。あるいは、私よりも才能のあるスタッフをお願いするということも。

そこで起こることは、前述した「成長を求められること」で、それを受け入れるのには恐ろしく自分の足らないものを知ることになります。

それを一緒にやるスタッフたちは、本当に根気良く教えてくれます。学ばせてくれます。
ありがたいです。申し訳ないくらい。

先日も、2月にやる仕事で、どうしても解決できないことがあって、どうすればいいのかずっと悩んだ挙句、あるスタッフに相談しました。

実は、これはそのスタッフの専門分野で、本来ならば仕事としてお願いするべきことなんですが、予算が無くてお願いできませんでした。

しかし、どうしてもそのことをやらなければ公演の形が出来ません。
しかも、私にはその知識がありません。

知っていても問題ない事でもあるのに、想像は出来ても、確実な知識が無かったのです。

それで、友人でもあるスタッフに相談に乗ってもらったところ、わざわざ時間を作ってくれて、実際に使用するホールに行って、説明してくれるとのこと。
スケジュール的にに駄目だったのですが、あわや、仕事として入れてくれようとしてました。

ひええ~、待って、待って、それは悪いよ~!!!
と、言うことで、彼一人が付き合ってくれて、レクチャーを受けることになったのですが、謝礼をどうしようか話をしようとした時に、「レクチャーじゃお金取れないから良いよ」って・・・・。

青くなりました。
スタッフにただで教えてもらうなんてありえない。
私自身がいつも気をつけていることです。

私たちの仕事は、ほとんどが思考です。
口で簡単に話すことが出来る。

だからこそ、絶対に仕事にすべきだ、と、私自身がモットーにしています。

なのに・・・、相談はいくらでも乗りますって、彼は自分の時間を私にくれました。

う~、感動。
こうやって、私は本当に育てられています。
しかも、みんなすごく真剣。
こちらが一個疑問を投げると、彼らは百個答えを探す方法を投げてくれる。
ありがたいです、本当に。

これをすべて受け取って、演出家として知らなきゃいけないことを、今は吸収していくのみです。

明日で鹿児島での仕事はいったん終わり。
東京に戻って、また次の仕事の準備をします。
良い舞台を創りたいです。
私には、私を育てたいと思ってくれているスタッフたちの想いがかかっています。

頑張ります。
これも演出家の仕事だと思うので。神様が与えてくださった道は、いつでも暖かく見守られています。感謝ばかりです。
by kuniko_maekawa | 2008-01-13 22:19 | 演出家のつぶやき | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。