人気ブログランキング |
ブログトップ

言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2008年 12月 11日 ( 1 )

柴山晴美ソプラノ・リサイタル「A Dio Roma」

友人であり、ソプラノ歌手である柴山晴美さんのコンサートに行ってきました。

代々木八幡にあるハクジュホールと言う非常に音響の良い小さな空間で、16世紀のスペイン歌曲とイタリア初期バロック作品を聴きました。

このコンサートはつのだたかしさんと言うリュート奏者では第一人者の方とのコラボレーション。

つのださんがプロデュースし、ハクジュホールが提携している古楽ルネサンスシリーズの一環です。

このコラボを聴くのは二回目で、前回もイタリアバロック音楽を堪能し、素晴らしく感動したのを覚えています。

今回も期待を裏切らない素晴らしいコンサートでした。

柴山さんの声は本当に明るく、綺麗な響きでバロックの歌唱の特徴であるノンビブラートで細部に渡って、丁寧に声を使っているという感じでした。

実際にこういう歌い方をするのは普通にベルカントで歌うよりもテクニックとセンスが必要な感じがしてるのですが、彼女は気負わず自然に、良い響きを創り、その響きの中に詩を語ってきます。

やわらかいリュートの音ともすごく合っていて、まるでオルゴールを聴いているみたいに心地よい空間でした。

前半のスペイン歌曲は初めて聞くものばかりでしたが、スペインものを聴くといつも感じる「乾き」のある言葉を、感情を込めて、あるいは手を叩いたり、足を踏み鳴らしながら歌われていきます。

柴山さんのこういう歌曲を聴いていると、歌うことと語ることとどちらでも感じてくれて良いという広さを感じます。

きっとこれが彼女の感性なんだと思い、それが耳に心地よいです。

彼女には申し訳ないですが、演奏の間、ずっと他のことを考えながらとか、プログラムを読みながらとか、自分の部屋にいて普段やることをやっていたくなるような気持ちよさなんです。
(もちろん、聴いてましたよ、ちゃんと!)

それくらい空間の中に良い風を送ることができる。
前回もそうでしたが、自然と身体をゆらして楽しみたくなる・・・。

彼女の努力もあるのでしょうが、聴くごとに豊かな音楽になっていくような気がします。

後半のイタリア初期バロックは真骨頂で、前回と同様すごく楽しく聴きました。

今回、もう一つ感動したのは表現の幅です。

これは表題である「A Dio Roma」と言うアリアに現れました。

楽曲は、モンテヴェルディの有名なオペラ「ポッペアの戴冠」の中で、皇帝ネロに裏切られ、国を追放されるオッターヴィアと言う悲劇の女王が、まさに国を出る岸辺で歌う曲ですが、この悲哀がドキッとするような息の使い方、声の使い方で語られ、思わず胸を締め付けられるようでした。

普段はとても明るく、少女のような彼女の中に、大人の女性としてのネガティブな部分、成熟さを確かに感じ、感動しました。

この方は、本当に努力の方。

御主人も藤原歌劇団などで御活躍のバリトン歌手ですが、彼を支えながら、自分の勉強をずっとずっと丁寧に続けています。

その成果が、こうやって聴いているものの胸を打つ。

彼女の人柄や人生みたいなものが、本当に豊かに感じられました。

これからもずっとこのシリーズを続けて行って頂きたいと切に願うと同時に、これから先の彼女の世界が、どう変わっていくのか、それをずっと聴いていきたいと心に思った一時でした。

晴美ちゃん!本当に、お疲れ様でした!(^0^)
by kuniko_maekawa | 2008-12-11 14:19 | 観劇日誌 | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31