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言の葉のいずるよりも前にきみが好きだった

2011年 08月 23日 ( 1 )

慟哭を見る

昨日、教会である方とお話をしました。

もちろん前から存じ上げている方でしたが、何せ私は5年間ずっと信仰に悩んでいましたから、最近までは全然お話する機会はありませんでした。

私が血腫を作って再生した頃は、親御さんの介護でずっと地方にいらっしゃいましたので、本当に最近やっと礼拝でお会いできるようになったばかり。

教会でオルガンを弾いてらっしゃって、昨日も練習のために会堂にいらしてトイレでばったりお会いしたという感じでした。

どうしてそのお話になったのか覚えていませんでしたが、私が最近教会の事務にいるので、そのことを聞かれたような気がします。

「何曜日にいらしているの?」といったようなこと。

9月からは大学が始まるという話から、偶然、私の行っているS音楽大学がその方の出身大学ということがわかり、盛り上がっていたところ、娘さんもピアノを弾かれることを教えていただきました。

「あ、じゃあ、娘さんも音大ですか?」

「ええ、G大学でしたけど。でも、亡くなりました。」

「・・・・・・・・・・・」

あまりにも普通におっしゃって、じっと微笑んで私をご覧になったので、逆に二の句が告げなくなって、息を呑みました。

やっと言葉が出たのは、本当に愚問ですが「御病気でしたか?」

皮膚癌が肺に転移なさったそうで、39歳だったそうです。

亡くなったのは3年前。

そのことも、すごくショックでした。

私が洗礼を受けて教会に来たのは5年前。

3年前は一番教会から離れていた時期だと思います。

なので、そんな大変なことが、この方に起こっていたことを知らなかった。

しかも、その次の年にはやはり最近良くお話しするようになった方の娘さんも亡くなっていました。

私が血腫をやった時に、親身になってお話を聞いてくださった、大好きなドクターNさんも御長女を亡くされています。

私が鬱々と自分勝手に悩んでいた間、この方は本当に苦しんでいらして、しかもそれを全然知らなかった事実にも、胸が苦しくなりました。

娘さんは、お母さんと共に教会にもいらしていたらしく、オルガにスト仲間や教会のお母さん方に可愛がられていたとおっしゃっていました。

だから、この方は日曜日になると思い出して、礼拝に来る度に目を赤くしているんだと笑っておっしゃっていました。

けれど、音楽があるから支えられている。

礼拝でオルガンを弾いているから救われているって。

静かに、やはり少し目を赤くしながら微笑んで話されているを見ると、この方がどれだけ娘さんを愛してらして、どれだけ深く深く哀しんでいらっしゃったか、今も哀しんでいらっしゃるか、深々と伝わってきて、息が苦しくなりました。

多分、亡くなった当時は、もっと泣いて泣いて、激しい苦しみや悲しみをを吐き出していらっしゃったのかもしれません。

けれど、3年経って、こうやって娘さんのことを言葉にするのがやっと「普通に辛くなった」と、おっしゃっているように感じたのです。

初めて「慟哭」と言うものを感じました。

もちろん、彼女が実際に泣き叫んでいるわけではありません。

でも、「亡くなりました」とおっしゃったその言葉の中に、愛する娘を先に逝かせた無常に怒り、嘆き、心を引き裂かれて泣き喚きたい想いが、まだ静かに息づいているのを感じました。

親より先に子が逝くことを「逆縁」というのだそうです。

もともとの意味は「年上の者が年下の者を供養すること」。

これを「親が子を供養すること」と読み直すと本当に心が痛くなりますね。

そのことを、この方とお話をしていて思い出しました。

きっとオルガンを弾いていることが、この方にとっては供養なのかもしれません。

娘さんを思い出して辛い教会は、この方を支えるための祈りがある場所でもあるのです。

それにしても、なんと穏やかに私に対応なさることか・・・・。

辛いということも、人生の中に「在る」こととして捉えてらっしゃるのに頭が下がりました。

素晴らしいオルガンを弾かれる方です。

これが経験と言うのならば、あまりにも辛い。

ですが、この辛い経験は彼女の中で、ものすごく豊に在ります。

なんだかんだ文句ばっかり言っていながら、私はこんなに辛い目にあったことはありません。

もちろん、これからまだまだ神様が何を御用意なさっているのかわからないけれど、もし慟哭するような悲しみに出会っても、やはり教会に私は来ます。

そこが苦しみと祈りの場であることだけは、わかっているからです。


さて、今日は朝と夜の温度差がかなりでしたね~。

今日も一日お疲れ様でした!

ゆっくり休んで明日も元気に頑張りましょう!

お休みなさい(^^)
by kuniko_maekawa | 2011-08-23 23:35 | 心のつぶやき | Comments(0)

オペラ・レッスンのこと、演出のこと、舞台や絵画や色んなことを書きまくっています。
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